自動車整備士の取り方|3級・2級の受験資格と合格率79%
自動車整備士の3級・2級は、実務経験か整備専門学校などの養成施設で受験資格を得ます。日整連の登録試験の日程・受験手数料・合格基準・最新の合格率(令和8年度第1回)と、実技試験が免除になる仕組みを、国土交通省と日整連の公式情報で整理しました。
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3級は実務6か月から・2級へ
自動車整備士の取り方
AT A GLANCE
自動車整備士(三級・二級)の早見表
- 資格名
- 自動車整備士(三級・二級)
- 種類
- 国家資格(自動車整備士技能検定)
- 費用の目安
- 日整連の登録試験:学科12,500円・実技18,000円(税込・令和8年度第2回から)+国の技能検定の手数料(全部免除なら2,450円)
- かかる日数
- 学科は三級60分・二級80分。登録試験は年2回(10月と3月)
- 受ける条件
- 三級は15歳以降の実務経験6か月以上か、一種養成施設の三級課程修了など。二級は三級合格後2年以上の実務経験か、一種養成施設の二級課程修了など
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
MONEY MAP
この仕事の月収と、費用対効果
統計の職種:自動車整備・修理従事者(自動車整備士の資格を持つ人だけの平均ではありません)
月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は−3.1万円。
| この職種 | 全体 | |
|---|---|---|
| 月収(きまって支給) | 34.0万円 | 37.0万円 |
| うち基本の給与(所定内) | 30.6万円 | 34.1万円 |
| 年間の賞与など | 96.4万円 | 101.0万円 |
| 年収の目安(計算値) | 約504万円 | 約546万円 |
費用対効果
取るのにかかる費用 12,500円(登録試験の学科の受験手数料(1回分・令和8年度第2回から))は、この職種の月収の約4%、日数にすると約1.1日分です。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。
目次
「整備の仕事をしたことがなくても、整備士の試験は受けられる?」
「3級と2級は、何が違って、どの順番で取るの?」
「試験はいつあって、受験料はいくら? どのくらい受かっている?」
自動車整備士は、車の点検や修理を仕事にするための国家資格です。誰でもすぐ受けられる試験ではなく、実務経験か学校(養成施設)で受験資格を得てから受けます。
この記事でわかること
- 3級・2級で求められる技能と、受験資格(実務経験の年数・養成施設)
- 日整連の登録試験から、国の合格を受けるまでの6ステップ
- 学科試験・実技試験の中身と、実技が免除になる仕組み
- 試験日程・受験手数料と、令和8年度第1回の合格率
この記事の答え
3級は「15歳以降の整備の実務経験が6か月以上」か「一種養成施設の三級課程の修了」などで受けられます。2級は「3級に合格してから2年以上の実務経験」か「一種養成施設の二級課程の修了」などが条件です。
日本自動車整備振興会連合会(日整連)の登録試験に合格すると、国の試験が免除されます。登録試験の手数料は学科12,500円・実技18,000円(令和8年度第2回から)。令和8年10月の学科試験は、7種目の合計で合格率79.0%でした。
整備士って、試験だけ受ければなれるんですか?
まず受験資格をそろえるところからなんだ。働きながらか、学校に通うか。道は2つあるよ。
ゴール:取ると何ができる?
自動車整備士は、国土交通大臣が行う「自動車整備士技能検定」に合格して得る資格です。種類は一級・二級・三級・特殊整備士に分かれています。
国土交通省は、それぞれの級に求める技能を次のように示しています。
| 級 | 求められる技能(国土交通省の説明) |
|---|---|
| 一級 | 二級より高度な自動車の整備ができること |
| 二級 | 自動車の一般的な整備ができること |
| 三級 | 自動車各装置の基本的な整備ができること |
| 特殊 | 各分野(タイヤ・電気装置・車体)の専門的な知識・技能を持つこと |
三級は「基本」、二級は「一般的な整備」と段階が上がります。まず三級を取り、実務を積んで二級へ、という順番が基本です。
なお、いま試験の種類が切り替わる途中です。日整連の案内では、これまでの「二級ガソリン」「三級シャシ」などの区分(旧試験)に代わり、「二級自動車整備士(総合)」「三級自動車整備士(総合)」などの新試験が始まっています。
道筋:国の合格を受けるまでの6ステップ
- 道を選ぶ 整備工場などで働きながら実務経験を積むか、一種養成施設(整備専門学校・高校・職業能力開発校など)に通うかを決めます。
- 受験資格をそろえる 三級なら、15歳以降の実務経験6か月以上か、一種養成施設の三級課程の修了などが必要です。
- 登録試験を申し込む 受験申請書は最寄りの自動車整備振興会にあります。申し込みの受付は5日間ほどと短いので、日程を先に確かめます。
- 学科試験を受ける 四つの選択肢から一つを選ぶマークシートの試験です。
- 実技試験を受ける(または免除) 実技は、同じ種類の学科に合格した人が受けます。養成施設を修了して2年以内なら、その課程の実技試験は免除です。
- 国の技能検定を申請する 登録試験に合格すると、合格から2年間は国の技能検定の試験が免除されます。運輸支局などに申請して合格を受けます。
登録試験は、国土交通大臣の登録を受けた日整連が行う試験です。国の技能検定そのものではありませんが、合格すると国の試験が免除になる仕組みです。
受験資格:実務経験の年数と養成施設
国土交通省と日整連の公式で、主な受験資格はこうなっています(学歴で年数が短くなる場合もあります)。
| 受ける級 | 実務経験で受ける場合 | 学校(養成施設など)で受ける場合 |
|---|---|---|
| 三級 | 15歳以降の実務経験6か月以上 | 一種養成施設の三級課程を修了(実務0年) |
| 二級 | 三級に合格したあと2年以上の実務経験 | 一種養成施設の二級課程を修了(実務0年) |
| 一級 | 二級(シャシを除く)に合格したあと3年以上の実務経験 | 二級合格後、一種養成施設の一級課程を修了 |
学歴で短くなる例もあります。大学・高校などの機械・電気・電子の学科を出た人は、三級の実務経験が3か月以上です。高校の自動車科・自動車整備科を出た人は0年です。
二級の実務経験も、学校によって短くなります。たとえば高校の機械科などを出た人は、三級合格後1年4か月以上です。くわしい条件は、最寄りの自動車整備振興会に確かめてください。
一種養成施設と二種養成施設のちがい
| 種類 | 主な対象 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 一種養成施設 | 整備の実務経験がない人(整備専門学校・高校・職業能力開発校など。全国に約230施設) | 三級課程1年以上(830時間)、二級課程2年以上(1,715時間) |
| 二種養成施設 | 整備の実務経験がある人(各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所。全国に53施設) | 二級・三級課程は90時間以上・6か月以内 |
どちらも、所定の課程を修了すると、修了した課程の実技試験が修了後2年間免除されます。一種養成施設の修了で、受験資格も得られます。
二種養成施設は、働きながら通う人が多い施設です。夜間や休日に講習を行うところもあります。ただし、課程を修了する日までに受験資格(実務経験)を満たしている必要があります。
学校を出ると、実技の試験を受けなくていいんですね。
そう、修了してから2年の間ならね。学科は受けるから、試験の中身を見ておこう。
試験の中身:学科はマークシート・実技は現物で
日整連の案内(令和8年度)から、三級と二級の学科試験をまとめました。
| 試験 | 問題数 | 試験時間 | 合格基準(令和8年度第1回) |
|---|---|---|---|
| 三級(シャシ・ガソリン・ジーゼル) | 30問 | 60分 | 30点満点で21点以上 |
| 二級(ガソリン・ジーゼル・二輪) | 40問 | 80分 | 40点満点で28点以上、かつ分野ごとに40%以上 |
| 三級(総合)※第2回から | 30問 | 60分 | 合格発表のときに公表 |
| 二級(総合)※第2回から | 40問 | 80分 | 合格発表のときに公表 |
二級は合計点だけでなく、エンジン・シャシ・整備機器等・法規の4つの分野それぞれで4割以上が必要です。合格基準は毎回、合格発表のときに日整連のホームページで公表されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学科の方法 | 四肢択一式・マークシート(HBの鉛筆) |
| 実技の方法 | 部品・装置・実車を使い、点検・測定・判定などを書きこむ方式 |
| 実技の問題数・時間 | 一級小型以外は3問・30分 |
| 実技を受けられる人 | 同じ種類の学科試験に合格した人 |
実技試験の会場は、原則として札幌・宮城・新潟・東京・愛知・大阪・広島・香川・福岡・沖縄です。学科試験は、原則として各自動車整備振興会がある都道府県で行われます。
二級(総合)・三級(総合)の実技試験は、令和10年1月に始まると案内されています。
日数:登録試験は年2回
登録試験は、10月(第1回)と3月(第2回)の年2回です。令和8年度の日程はこうなっています。
| 回 | 申請の受付 | 学科試験 | 実技試験 |
|---|---|---|---|
| 第1回(第113回) | 令和8年7月27日〜7月31日 | 令和8年10月4日 | 令和9年1月17日(二級ガソリン・三級シャシ) |
| 第2回(第114回) | 令和8年12月14日〜12月18日 | 令和9年3月14日 | 一級小型のみ(令和9年8月22日) |
実技試験の申請は、学科と同じ受付期間にします。学科と実技を同時に申請した人は、学科に合格したあとで実技の手数料を納めます。
受験資格をそろえるまでの期間は、道によって大きく違います。実務経験なら三級で6か月以上、一種養成施設なら三級課程で1年以上、二級課程で2年以上です。
費用:登録試験の手数料+国の手数料
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 登録試験 学科(一級以外) | 12,500円(税込) |
| 登録試験 実技 | 18,000円(税込) |
| 国の技能検定(1種類につき) | 7,200円 |
| 国の技能検定(学科・実技とも全部免除の人) | 2,450円 |
登録試験の手数料は、令和8年度第2回の案内の金額です。第1回は学科7,200円・実技14,000円だったので、第2回から上がっています。納めた手数料は返ってきません。
養成施設に通う場合は、別に学費がかかります。学費は学校ごとに違うので、通いたい学校の公式で確かめてください。
受付が5日間しかないのは、見落としそうです。
最寄りの整備振興会に早めに聞いておこう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
合格率:令和8年10月の学科は合計79.0%
日整連が発表した、令和8年度第1回(令和8年10月4日)の学科試験の結果です(速報)。
| 試験の種目 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 二級ガソリン自動車 | 2,650人 | 2,058人 | 77.7% |
| 二級ジーゼル自動車 | 629人 | 422人 | 67.1% |
| 三級自動車シャシ | 859人 | 690人 | 80.3% |
| 三級ガソリン・エンジン | 3,173人 | 2,533人 | 79.8% |
| 三級ジーゼル・エンジン | 275人 | 217人 | 78.9% |
| 7種目の合計 | 8,324人 | 6,575人 | 79.0% |
※合計には、二級2輪・自動車車体も含みます。
受験する人は、実務経験か養成施設などで受験資格を得た人です。数字だけを見て、勉強なしで受かると考えないほうが安全です。日整連のホームページでは、過去の問題と解答が公開されています。
取ったあとの仕事
自動車整備士が活きるのは、車の点検・修理をする仕事です。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの数字はこうなっていました。
| 仕事の分類 | 有効求人 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|
| 機械整備・修理従事者 | 37,534件 | 3.90倍 |
※この分類には、自動車以外の機械の整備も入ります。整備士の資格を求めていない求人も含まれます。
三級のあと、実務を積んで二級へ、さらに一級へと進む道があります。一級は、二級(シャシを除く)に合格したあと3年以上の実務経験などが必要です。
そろえる教材
自動車整備士のテキスト・問題集
登録試験の学科はマークシートで、三級は30問中21点以上が合格の目安です。試験の区分が新しい「総合」に切り替わる途中なので、自分が受ける区分に合った新しい版を選びましょう。
よくある質問
整備の仕事をしたことがなくても受けられますか?
そのままでは受けられません。整備工場などで15歳以降に6か月以上の実務経験を積むか、一種養成施設の三級課程を修了すると、三級の受験資格が得られます。
いきなり二級を受けられますか?
一種養成施設の二級課程を修了すれば、三級を持っていなくても二級の受験資格が得られます。実務経験で受ける場合は、三級に合格してから2年以上の実務経験が必要です。
登録試験と国の技能検定は、両方受けるのですか?
登録試験に合格すると、合格から2年間は国の技能検定の試験が免除されます。そのうえで国に技能検定を申請します。学科・実技とも全部免除の人の手数料は2,450円です。
参考・出典
出典(9件)
- 日本自動車整備振興会連合会「自動車整備士になるには」(登録試験・養成施設・資格取得の過程・受験手数料)
- 日本自動車整備振興会連合会「自動車整備技能登録試験のご案内」(令和8年度第1回・第2回/PDF)
- 日本自動車整備振興会連合会「令和8年度第1回(第113回)自動車整備技能登録試験(学科試験)の試験結果について」(PDF)
- 日本自動車整備振興会連合会「試験結果」・「過去の問題・解答」
- 国土交通省「自動車整備士になるために」
- 国土交通省「受験資格について」
- 国土交通省「受験の申請について」・「試験の免除について」
- 国土交通省「自動車整備士養成施設について」・「自動車整備技能登録試験について」
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」