足場の組立て等作業主任者の取り方|学科13時間・特別教育との違い
高さ5m以上の足場の組立て・解体・変更では、技能講習を修了した作業主任者を選ぶ決まりです。足場の作業をする人の特別教育との違い、受講資格(経験3年以上など)、講習の科目と時間(13時間)、東京・神戸の料金の例を、法令と講習機関の公式情報で整理しました。
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学科13時間・2日間の例
足場の組立て等作業主任者の取り方
AT A GLANCE
足場の組立て等作業主任者技能講習の早見表
- 資格名
- 足場の組立て等作業主任者技能講習
- 種類
- 技能講習(労働安全衛生法)
- 費用の目安
- 全科目で16,005円の例(東京・税込・教材費込み)
- かかる日数
- 学科13時間を2日間で行う例
- 受ける条件
- 足場の組立て・解体・変更の作業の経験が3年以上など(労働安全衛生規則 別表第六)
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
MONEY MAP
この仕事の月収と、費用対効果
統計の職種:建設躯体工事従事者(とび職などを含む職種。足場の作業主任者だけの平均ではありません)
月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は−5.0万円。
| この職種 | 全体 | |
|---|---|---|
| 月収(きまって支給) | 32.0万円 | 37.0万円 |
| うち基本の給与(所定内) | 30.3万円 | 34.1万円 |
| 年間の賞与など | 30.3万円 | 101.0万円 |
| 年収の目安(計算値) | 約415万円 | 約546万円 |
費用対効果
取るのにかかる費用 16,005円(全科目・東京の例)は、この職種の月収の約5%、日数にすると約1.5日分です。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。
目次
「足場の作業主任者を取ってと言われた。特別教育とは何が違う?」
「経験が何年あれば受けられる? 自分は受けられる?」
「講習は何日? 費用はいくらくらい?」
足場の仕事には、作業をする人が受ける「特別教育」と、作業を指揮する人が取る「作業主任者技能講習」の2つがあります。名前が似ていますが、役割も受ける条件も別のものです。
この記事でわかること
- 特別教育と作業主任者技能講習の違い
- 技能講習を受けられる人(経験3年以上など)
- 講習の科目と時間(学科だけで13時間)
- 日数と費用の例(東京で2日間・16,005円)
この記事の答え
つり足場・張出し足場・高さ5m以上の足場の組立て、解体、変更では、会社は「足場の組立て等作業主任者技能講習」を修了した人の中から作業主任者を選ぶ決まりです。
受けるには、足場の作業の経験が3年以上などの条件があります。講習は学科だけで13時間です。
費用は、東京の講習機関の例で16,005円(税込・教材費込み)です。
足場の特別教育はもう受けました。作業主任者は、その続きですか?
別の講習なんだ。まずは2つの役割の違いから見ていこう。
ゴール:取ると何ができる?
技能講習を修了すると、足場の作業の作業主任者に選ばれることができます。作業主任者は、現場で作業する人たちの先頭に立って、安全を見る役目です。
法律では、作業主任者の仕事は次の4つと決まっています(労働安全衛生規則 第566条)。
- 材料に傷みなどがないか点検し、悪いものを取り除く
- 器具・工具・墜落制止用器具(安全帯)・ヘルメットを点検し、悪いものを取り除く
- 作業の方法と人の配置を決め、作業の進み具合を見張る
- 墜落制止用器具とヘルメットを正しく使っているか見張る
なお、解体の作業のときは、1つ目の材料の点検は求められていません。
特別教育との違い
足場の作業をする人には「特別教育」が、作業を指揮する人には「技能講習」が必要です。
| 足場の組立て等の特別教育 | 足場の組立て等作業主任者技能講習 | |
|---|---|---|
| 誰が受ける | 足場の組立て・解体・変更の作業をする人 | 作業主任者として選ばれる人 |
| どんな足場 | 高さの決まりなし(地上や床の上での補助作業は除く) | つり足場・張出し足場・高さ5m以上の足場 |
| 受ける条件 | 法令上の経験の条件なし | 経験3年以上など |
| 時間 | 学科6時間以上 | 学科13時間+修了試験 |
| 行うところ | 会社(事業者) | 都道府県労働局に登録された教習機関 |
技能講習を修了しても、作業をする人全員が特別教育を受けなくてよくなるわけではありません。作業をする人には、それぞれ特別教育が必要です。
法律ではどう決まっている?
作業主任者が必要な作業は、労働安全衛生法施行令の第6条第15号に書かれています。「つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業」です。
そのうえで、労働安全衛生規則の第565条が、技能講習を修了した人の中から作業主任者を選ぶよう決めています。
特別教育は、同じ規則の第36条第39号です。足場の組立て・解体・変更の作業が対象で、地上や堅い床の上での補助の作業は除かれています。
道筋:修了証を受け取るまでの4ステップ
- 受講資格があるか確かめる 足場の作業の経験が3年以上か、土木・建築・造船の学科を卒業して2年以上かなどを確かめます(下の表)。
- 会社に経験の証明を書いてもらう 講習機関の例では、事業主が記名押印した実務経験の証明書を出す決まりです。
- 登録教習機関に申し込み、学科を受ける 学科だけで13時間です。実技はありません。
- 修了試験に合格して修了証を受け取る 試験は筆記か口述です。合格すると修了証が交付されます。
受講資格:経験3年以上など
受講資格は、労働安全衛生規則の別表第六で、次の3つのどれかと決まっています。
| 受けられる人 | 条件 |
|---|---|
| 経験で受ける人 | 足場の組立て・解体・変更の作業に3年以上ついた |
| 学校で学んだ人 | 大学・高専・高校などで土木・建築・造船の学科を卒業し、その後2年以上足場の作業についた |
| その他 | 厚生労働大臣が決めた人(とび科の職業訓練を修了し、その後2年以上足場の作業についた人など) |
※3つ目の中身は、足場の組立て等作業主任者技能講習規程の第1条に書かれています。
講習機関の案内には、法令の条件に加えて、次のような注意も書かれています。
- 東京の中小建設業特別教育協会:18歳未満は足場の作業につけないため、経験で受ける人は21歳以上、学校で学んだ人は20歳以上になる
- 兵庫労働基準連合会:経験の期間に平成29年7月1日以降が入る人は、足場の特別教育の修了証の写しが必要
18歳未満が足場の組立て等の仕事につけないことは、年少者労働基準規則の第8条に書かれています。経験の数え方や必要な書類は、申し込む講習機関で確かめてください。
足場の仕事はまだ2年です。今すぐは受けられないんですね。
経験で受けるなら、3年たってからだね。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
講習の時間:学科だけで13時間
国の告示(足場の組立て等作業主任者技能講習規程)では、講習の中身と時間がこう決まっています。
| 科目 | 主な中身 | 時間 |
|---|---|---|
| 作業の方法に関する知識 | 足場の種類・材料・構造・組立図、組立て・解体・変更の方法、点検と補修、登りさん橋や朝顔(落下物を受ける囲い)の組み方 | 7時間 |
| 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 | 設備と機械の扱い方、器具と工具、電気、墜落防止の設備、落下物の防止、悪天候のときの作業、服装と保護具 | 3時間 |
| 作業者に対する教育等に関する知識 | 作業する人への教え方と指導のしかた、作業標準、災害が起きたときの対応 | 1時間30分 |
| 関係法令 | 労働安全衛生法・施行令・安衛則・クレーン等安全規則の関係するところ | 1時間30分 |
合わせて13時間で、すべて学科です。講習は、おおむね100人以内を1つの単位にして行います。
講習の最後には修了試験があり、筆記試験か口述試験で行います。東京の中小建設業特別教育協会では、学科のあとに1時間の学科試験があります。
免除で短くなる人
持っている資格によって、一部の科目が免除されます(同じ規程の第4条)。
| あなたの状態 | 免除される科目 | 残る時間 |
|---|---|---|
| とびの技能検定1級か2級に合格した/とび科などの職業訓練を修了した | 作業の方法(7時間)と工事用設備等(3時間) | 3時間 |
| とび科の職業訓練指導員免許を持っている | 上の2つと、作業者への教育等(1時間30分) | 1時間30分 |
※残る時間は、告示の科目の時間を足したもので、修了試験の時間は入っていません。
足場の特別教育の中身
作業をする人が受ける特別教育は、国の告示(安全衛生特別教育規程 第22条)で、学科だけで行うと決まっています。
| 科目 | 主な中身 | 時間 |
|---|---|---|
| 足場及び作業の方法に関する知識 | 足場の種類・材料・構造・組立図、組立て・解体・変更の方法、点検と補修 | 3時間以上 |
| 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 | 設備と機械の扱い方、器具と工具、悪天候のときの作業 | 0.5時間以上 |
| 労働災害の防止に関する知識 | 墜落防止の設備、落下物の防止、保護具の使い方と手入れ、感電の防止 | 1.5時間以上 |
| 関係法令 | 法・施行令・安衛則の関係するところ | 1時間以上 |
合わせて6時間以上です。東京の中小建設業特別教育協会では、1日(計6時間)・10,505円(教材費・税込)で行っています。
足場の上で高い所の作業をするなら、フルハーネスの特別教育も関わってきます。どちらが必要かは、職場で確かめてください。
日数の例
東京の中小建設業特別教育協会では、技能講習の学科13時間を2日間で行います。学科の一部免除の人は1日間(計1.5〜3時間)です。
兵庫労働基準連合会(神戸市)も2日間です。講習時間は1日目が9時〜17時35分、2日目が9時〜17時20分となっています。
兵庫労働基準連合会では、遅刻・早退などで決まった時間を受けなかった人は、修了試験を受けられません。合格すると、写真入りのプラスチックカードの修了証が交付されます。
東京の中小建設業特別教育協会の案内では、講習の最後に試験があるため、専門用語を含む日本語の力が必要です。通訳の同席や外国語のテキストは使えません。
費用:全科目で約1.5万〜1.6万円の例
講習機関の公式ページでは、技能講習の料金はこうなっていました。
| 講習機関(場所) | 区分 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 中小建設業特別教育協会(東京) | 全科目 | 16,005円(教材費込み) |
| 中小建設業特別教育協会(東京) | 学科の一部免除 | 9,515円(教材費込み) |
| 兵庫労働基準連合会(神戸市) | 全科目 | 14,795円(受講料12,650円+テキスト代2,145円) |
※2026年11月3日に各機関の公式ページで確認した料金です。料金は講習機関ごとに決まっていて、変わることがあります。申し込み先の公式ページで確かめてください。
1万5千円くらいですね。自分で払うんでしょうか?
中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。経験の証明も会社に頼むから、一緒に聞いてみよう。
取ったあとの仕事
足場の作業主任者が活躍するのは、建物を建てる現場や、外壁の工事、橋や工場の工事などで足場を組む仕事です。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの有効求人はこうなっていました。
| 仕事の分類 | 有効求人 |
|---|---|
| 建設躯体工事(とび職など、建物の骨組みをつくる仕事) | 19,158件 |
| 土木作業 | 43,041件 |
※常用(パートを含む)の数字です。この中には、足場の資格を求めていない求人も含まれます。
作業主任者は、現場で人を指揮する立場です。足場の経験を積んだ人が、次の一歩として取る資格だといえます。
そろえる教材
eラーニングで学ぶなら:SAT
現場系・技術系の資格のeラーニングを扱うSAT株式会社の講座一覧には、「足場の組立等特別教育」があります(2026年11月3日に公式サイトで確認)。講座の中身や対応している範囲は講座ページで確かめてください。
よくある質問
足場の特別教育を受けていれば、作業主任者になれますか?
なれません。作業主任者に選ばれるには、「足場の組立て等作業主任者技能講習」の修了が必要です。特別教育は、作業をする人のためのものです。
高さ5m未満の足場なら、作業主任者はいりませんか?
つり足場と張出し足場は、高さに関係なく作業主任者が必要です。それ以外の足場は、高さ5m以上の構造のものが対象です。作業をする人の特別教育は、高さにかかわらず必要です(地上などでの補助作業は除く)。
実技の講習や試験はありますか?
国の告示で決まっている科目は学科だけです。修了試験は筆記試験か口述試験で行います。