運行管理者試験(貨物)の取り方|受験資格・CBT30問・合格率41%
運行管理者(貨物)は、トラック会社の営業所でドライバーの安全な運行を管理する人の国家資格です。受験資格は実務経験1年以上か基礎講習の修了。試験はパソコンで受けるCBTで30問・90分。受験料・合格基準・合格率と、資格者証を受け取るまでの道筋を公式情報で整理しました。
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実務経験なしでも基礎講習から目指せる
運行管理者(貨物)の取り方
AT A GLANCE
運行管理者(貨物)の早見表
- 資格名
- 運行管理者(貨物)
- 種類
- 国家資格(貨物自動車運送事業法)
- 費用の目安
- 受験手数料6,000円(非課税)+システム利用料660円(税込)
- かかる日数
- 試験は1日(試験時間90分)。基礎講習は16時間
- 受ける条件
- 運行管理の実務経験1年以上、または基礎講習(貨物)の修了
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
目次
「運行管理者って、どんな仕事をする人? 運転手とは違うの?」
「実務経験がないと受けられない? 講習を受ければいい?」
「試験はいつ、いくらで、どのくらいの人が受かっている?」
運行管理者は、トラックやバスの会社で、ドライバーが安全に走れるように管理する人の国家資格です。ハンドルを握る仕事ではなく、営業所で点呼や乗務の割り振りを受け持つ、事務・管理の仕事です。
この記事でわかること
- 運行管理者(貨物)の仕事と、会社に置く決まり
- 受験資格の2つの道(実務経験1年/基礎講習)
- 試験の中身(CBT・30問・90分)と合格の基準
- 受験料・基礎講習の料金と、直近の合格率
この記事の答え
受験するには「運行管理の実務経験1年以上」か「基礎講習(貨物)の修了」のどちらかが必要です。試験はパソコンで答えるCBTで、30問・90分。18問以上の正解などの基準を満たせば合格です。
受験手数料は6,000円(非課税)で、ほかにシステム利用料660円(税込)がかかります。令和8年度第1回の貨物の合格率は41.1%でした。合格したら3か月以内に運輸支局へ資格者証の交付を申請します。
運行管理者って、トラックの運転手さんの資格ですか?
ううん、運転する人を営業所で支える管理の仕事だよ。まずは何をする人なのかから見ていこう。
ゴール:取ると何ができる?
運行管理者試験に合格し、運輸支局で「運行管理者資格者証」の交付を受けると、運送会社で運行管理者に選ばれる(選任される)ことができます。
国土交通省によると、自動車運送事業者は、資格者証を持つ人の中から運行管理者を選ばなければなりません。トラックの営業所では、国の配置基準で次のように決まっています。
| 項目 | 内容(トラック) |
|---|---|
| 置く人数 | 保有車両29両まで1名、以降30両ごとに1名追加 |
| 複数いる場合 | まとめ役の「統括運行管理者」も選ぶ |
| 講習 | 選ばれた運行管理者は、2年に1回の講習を受ける |
運行管理者試験センターの説明では、主な仕事は次のとおりです。
- ドライバーの乗務の割り振り(乗務割)をつくる
- 乗務の記録を管理する
- 休憩・睡眠の施設を管理する
- ドライバーを指導・監督する
- 仕事の前後の点呼で、疲れや健康の状態をつかみ、安全の指示を出す
旅客との違い
運行管理者試験には「貨物」と「旅客(バス・タクシー)」の2種類があります。違いは、出題の1つめの分野です。
| 試験 | 1つめの分野(8問) |
|---|---|
| 貨物 | 貨物自動車運送事業法関係 |
| 旅客 | 道路運送法関係 |
残りの4分野と合格基準は同じです。基礎講習も試験と同じ種類(貨物なら基礎講習(貨物))でないと受験資格になりません。また、1回の試験で申し込めるのは、貨物と旅客を合わせて一人1回だけです。
受けられる人:2つの道
新しく受験する人は、次のどちらかに当てはまれば受けられます。
| 受験資格 | 内容 |
|---|---|
| ①実務経験1年以上 | 試験日の前日までに、緑色のナンバーの事業用自動車の運行管理に関して1年以上の実務経験がある |
| ②基礎講習の修了 | 国土交通大臣が認定する講習実施機関で、基礎講習(貨物)を修了した(または期日までに修了予定) |
①の実務経験には注意があります。試験の案内には、運転の業務、営業、総務・経理などの管理業務は、運行管理の実務経験に当たらないと書かれています。
①で申し込むときは、会社の実務経験承認者に、メールで経験を承認してもらいます。運行管理の経験がない人は、②の基礎講習から目指す道になります。
運転手を何年やっていても、それだけでは受けられないんですね。
そうなんだ。その場合は基礎講習を先に受けよう。中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。
道筋:資格者証を受け取るまでの5ステップ
- 受験資格をそろえる 実務経験が1年ない人は、基礎講習(貨物)を受けて修了証明書をもらいます。基礎講習の申し込みと受験の申し込みは、別の手続きです。
- インターネットで受験を申し込む 申し込みは運行管理者試験センターのサイトからだけです。本人確認書類と顔写真のデータ、受験資格の書類をアップロードします。
- 書類の審査を待ち、会場と日時を予約する 審査には1週間〜10日ほどかかります。審査が終わるとメールが届くので、会場と日時を選び、受験手数料などを払います。
- 試験を受ける 予約した会場のパソコンで受けます。顔写真つきの本人確認書類(運転免許証など)を持っていきます。
- 合格したら資格者証の交付を申請する 結果発表日から3か月以内に、運輸支局などへ申請します。3か月を過ぎると合格が無効になります。
試験の中身:CBT・30問・90分
| 出題分野(貨物) | 出題数 |
|---|---|
| 貨物自動車運送事業法関係 | 8問 |
| 道路運送車両法関係 | 4問 |
| 道路交通法関係 | 5問 |
| 労働基準法関係 | 6問 |
| その他 運行管理者の業務に必要な実務上の知識と能力 | 7問 |
| 合計 | 30問 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の方法 | CBT(紙を使わず、パソコンの画面の問題にマウスなどで答える) |
| 筆記試験 | 行わない |
| 試験時間 | 90分 |
| 試験地 | 全国47都道府県の試験会場 |
合格するには、次の2つの基準を両方満たす必要があります。
- 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上
- 上の表の1〜4つめの分野で各1問以上、5つめの分野で2問以上の正解
合計で18問とれても、正解が0問の分野があると不合格になります。
試験の時期:年2回(8月頃と3月頃)
試験センターによると、運行管理者試験は年2回、8月頃と3月頃に行われます。CBTなので、決められた期間の中から自分で日時を選べます。
| 項目 | 令和8年度第1回 |
|---|---|
| 申請の受付期間 | 令和8年6月15日(月)〜7月15日(水) |
| 基礎講習を修了する期日(修了予定で申し込む人) | 令和8年7月29日(水) |
| 試験期間 | 令和8年8月8日(土)〜9月6日(日) |
| 結果発表 | 令和8年9月24日(木) |
ひとつ前の令和7年度第2回は、新規受験の申請受付が令和7年12月8日〜令和8年1月14日でした。次の回の日程は、試験センターのお知らせで確かめてください。
日数
試験そのものは1日で、試験時間は90分です。基礎講習から目指す人は、そのぶんの時間も見ておきます。
| 項目 | 時間・日数 |
|---|---|
| 基礎講習 | 16時間 |
| 会場で受ける基礎講習 | 3日間続けて受ける(途中で早退すると未修了) |
| eラーニング(eナスバ)の基礎講習 | 受講する月の1日から30日間のうちに受ける(1日6単元まで・4月と5月は行わない) |
| 受験書類の審査 | 1週間〜10日ほど |
| 資格者証の交付申請 | 結果発表日から3か月以内 |
費用:受験は6,660円から
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 受験手数料 | 6,000円(非課税) |
| システム利用料(新規受験) | 660円(税込) |
| 試験結果レポート(希望者のみ) | 140円(税込) |
| 資格者証の交付手数料 | 270円(電子申請は260円) |
受験に必ずかかるのは6,660円です。払った受験手数料などは、どんな理由でも返ってきません。次の回に回すこともできません。
基礎講習から目指す人は、講習の料金が加わります。自動車事故対策機構(NASVA)のeラーニング講習「eナスバ」の例は次のとおりです(令和8年度・税込)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基礎講習の受講料 | 8,900円 |
| テキストの送料(全国一律) | 660円 |
| eナスバの基礎講習 合計 | 9,560円 |
eナスバで基礎講習を受けてから受験し、資格者証を紙で申請すると、合計は16,490円(試験結果レポートなし)になります。会場で受ける基礎講習は、当日の受付で現金で払います。団体によっては受講料の助成がある場合もあるので、NASVAの案内を見てください。
合格率41%って、思ったより受かっていますね。
それでも半分以上は落ちているよ。公式の過去問で5つの分野を一つずつ固めよう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
合格率:令和8年度第1回で41.1%
試験センターが発表した令和8年度第1回の結果は、次のとおりです。
| 項目 | 貨物 | 旅客(参考) |
|---|---|---|
| 受験者数 | 29,323人 | 7,128人 |
| 合格者数 | 12,061人 | 3,047人 |
| 合格率 | 41.1% | 42.7% |
試験センターのサイトでは、過去の試験問題と正答が公開されています。勉強には、まずこれを使うのが近道です。
取ったあとの仕事
運行管理者は、トラックの営業所で点呼や乗務の割り振りを受け持つ、事務・管理の仕事です。自分で運転するドライバーとは、仕事の中身が違います。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、運行管理者を含む「運輸・郵便事務」の仕事のハローワークの有効求人は6,399件でした(常用・パートを含む)。同じ月の「自動車運転」の仕事は98,821件です。
運行管理者は、ドライバーが多い職場の安全を支える役目です。運送会社の求人で「運行管理者資格」と書かれたものを探すときは、この資格者証が必要かどうかを確かめておくと安心です。
そろえる教材
運行管理者(貨物)のテキスト・過去問題集
30問中18問以上、かつ分野ごとの最低ラインがある試験です。法令の改正が出題に関わるので、最新年度の版を選びましょう。
よくある質問
ドライバーとして1年以上働いていれば受験できますか?
運転の業務だけでは受験資格になりません。試験の案内では、運転・営業・総務・経理などは運行管理の実務経験に当たらないとされています。その場合は、基礎講習(貨物)を修了すると受験できます。
紙の試験(マークシート)はありますか?
ありません。試験はCBTだけで、会場のパソコンで答えます。筆記試験は行われません。
合格したら、すぐに運行管理者になれますか?
合格のあと、結果発表日から3か月以内に運輸支局などへ資格者証の交付を申請します。申請しないと合格は無効になります。運行管理者として働くには、資格者証を持ったうえで会社に選任されることが必要です。
参考・出典
出典(11件)
- 運行管理者試験センター「新規受験概要」(受験資格・出題分野・合格基準・試験地・申請の流れ)
- 運行管理者試験センター「令和8年度第1回運行管理者試験のご案内」(PDF)
- 運行管理者試験センター「試験実施状況・合格後の手続き」
- 運行管理者試験センター「運行管理者とは」
- 運行管理者試験センター「よくある質問」
- 国土交通省「運行管理者について」(選任・配置基準・講習の種類)
- 国土交通省「運行管理者資格者証の交付申請」(貨物自動車運送事業法・手続案内)
- 自動車事故対策機構(NASVA)「eラーニング方式による運行管理者等指導講習(eナスバ)」
- 自動車事故対策機構(NASVA)「2026年度 eナスバ講習日程【基礎・一般】」(PDF)
- 自動車事故対策機構(NASVA)「指導講習Q&A(対面講習)」(PDF)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」