ドローン国家資格の取り方|一等・二等の違い・試験の費用・16歳から
ドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は、一等と二等の2つです。資格がなくても飛ばせる場合と、資格で国の許可・承認の手続きがどう変わるか、講習ルートと直接試験ルート、学科・実地・身体検査の手数料、有効期間3年、16歳以上の条件を、国土交通省と指定試験機関の公式情報で整理しました。
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一等・二等/16歳から受けられる
ドローン国家資格の取り方
AT A GLANCE
無人航空機操縦者技能証明(一等・二等)の早見表
- 資格名
- 無人航空機操縦者技能証明(一等・二等)
- 種類
- 国家資格(航空法)
- 費用の目安
- 二等の例:学科8,800円+実地20,400円+身体検査5,200円+交付3,000円(いずれも非課税・講習の受講料は別)
- かかる日数
- 学科試験は二等30分・一等75分。講習の日数は登録講習機関ごとに違う
- 受ける条件
- 16歳以上
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
目次
「ドローンって、国家資格がないと飛ばしちゃいけないの?」
「一等と二等は何が違う? 取ると何が楽になる?」
「試験はいくらかかる? スクールに通わないと取れない?」
ドローンの国家資格は、正式には無人航空機操縦者技能証明といいます。一等と二等の2つがあり、国(国土交通大臣)が証明する資格です。
この記事でわかること
- 資格がなくても飛ばせる場合と、資格があると変わること
- 一等と二等の違い(飛ばせる範囲)
- 講習ルートと直接試験ルート、免状を受け取るまでの道筋
- 学科・実地・身体検査の手数料と、有効期間・年齢の条件
この記事の答え
国家資格がなくても、ドローンは飛ばせる場合があります。人が多い場所の上や夜間などの「特定飛行」は、資格がなくても飛行ごとに国の許可・承認を取れば飛ばせます。
二等を持ち、機体認証を受けた機体で決まった条件を守ると、一部の飛行は許可・承認がいらなくなります。一等は、人がいる場所の上を飛ぶ「カテゴリーⅢ飛行」に必要です。受けられるのは16歳以上で、有効期間は3年です。
ドローンを飛ばすなら、まず国家資格を取らないとダメですか?
そこがいちばん勘違いしやすいところだね。まずは「資格がなくてもできること」から順に見ていこう。
ゴール:取ると何ができる?
まず、ルールの対象になるドローン
航空法のルールの対象は、重さ100g以上の機体です。重さは機体本体とバッテリーの合計で数えます。
100g未満でも、空港の周りや高い所で飛ばすときは、別の決まりで許可がいることがあります。また屋外で飛ばす100g以上の機体は、資格とは別に機体の登録が必要です。
資格がなくても飛ばせる場合
国は、飛ばし方をリスクの低い順に3つの区分(カテゴリー)に分けています。
| 区分 | どんな飛行か | 国の手続き |
|---|---|---|
| カテゴリーⅠ | 特定飛行に当たらない飛行(例:人口が集まる地区の外で、昼間・目で見える範囲) | 許可・承認はいらない |
| カテゴリーⅡ | 特定飛行のうち、下に人が入らないよう管理して飛ぶ | 飛行ごとの許可・承認。または二等+機体認証で一部は不要 |
| カテゴリーⅢ | 特定飛行のうち、人が入る管理をせずに飛ぶ(人がいる上空) | 一等+第一種機体認証+飛行ごとの許可・承認がすべて必要 |
特定飛行とは、国の許可や承認がいる飛ばし方のことです。たとえば次のような場合です。
- 空港の周り、地表から150m以上、人口が集まる地区(DID)の上空
- 夜間、目で見えない所(目視外)、人や物から30m未満
- お祭りなど人が集まる催しの上空、危険物の輸送、物を落とす
つまりカテゴリーⅠなら資格も許可もいりません。カテゴリーⅡも、資格がなくても飛行ごとに許可・承認を取れば飛ばせます。
二等があると変わること
DID上空・夜間・目視外・人や物から30m未満の飛行で、機体の重さが25kg未満のときです。下に人が入らない管理をしたうえで、二等以上の資格を持つ人が機体認証を受けた機体を飛ばすと、許可・承認を不要にできます。飛行マニュアルの作成など、安全のための措置も必要です。
ただし夜間と目視外を、この「許可・承認がいらない飛行」で行うには、資格の限定変更が必要です。
一方、空港の周り・150m以上・催しの上空・危険物の輸送・物を落とす飛行・25kg以上の機体は別です。資格や機体認証があっても、飛行ごとに許可・承認が必要です。
一等があると変わること
一等は、人がいる場所の上を飛ぶカテゴリーⅢ飛行のための資格です。補助する人なしで有人の地域を目視外で飛ぶ「レベル4飛行」もここに入ります。
カテゴリーⅢは、一等の資格だけでは飛べません。第一種機体認証を受けた機体と、飛行ごとの許可・承認がそろって初めて飛べます。
資格の「限定」
資格は、合格した範囲でだけ使えます。最初の試験(基本)は、昼間・目視内・25kg未満の範囲です。
| 限定の種類 | 中身 |
|---|---|
| 機体の種類 | 回転翼航空機(マルチローター)/回転翼航空機(ヘリコプター)/飛行機 |
| 機体の重さ | 最大離陸重量25kg未満 |
| 飛ばし方 | 昼間飛行・目視内飛行 |
夜間・目視外・25kg以上を飛ばしたいときは、それぞれ限定を外す「限定変更」の試験か講習が必要です。
道筋:技能証明書を受け取るまでの6ステップ
取り方は2つあります。登録講習機関(国に登録されたドローンスクール)の講習を受けるルートと、指定試験機関で実地試験を直接受けるルートです。指定試験機関は、一般財団法人日本海事協会です。
- 技能証明申請者番号を取る 国の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」でアカウントを作り、番号を申請します。本人確認の審査が終わると番号が出ます。
- 試験申込システムに登録する 指定試験機関の試験申込システムに登録します。登録できるのは16歳以上の人です。
- 講習を受ける(講習ルートの人) 登録講習機関で学科講習と実地講習を受け、修了審査に合格して修了証明書を受け取ります。
- 学科試験・身体検査を受ける 学科試験はパソコンで答えるCBT方式です。身体検査は、運転免許証などの書類か、会場での受検で受けます。
- 実地試験を受ける(直接試験ルートの人) 学科試験に受かってから申し込めます。講習を修了した人は、実地試験が免除されます。
- 技能証明書を申請する 試験合格証明書を発行してもらい、DIPS2.0で交付を申請します。手数料の支払いと国の審査のあと、技能証明書が郵送されます。
学科試験と身体検査は、講習に通う前に受けることもできます。
スクールに通わなくても、試験だけで取れるんですね。
そうだよ。どちらのルートにするかは、費用と日程で選べばいいね。中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。
試験の中身:学科・実地・身体検査
学科試験
| 項目 | 一等 | 二等 |
|---|---|---|
| 形式 | 三肢択一式(70問) | 三肢択一式(50問) |
| 試験時間 | 75分 | 30分 |
| 合格に必要な正答率(試験開始当初) | 90%程度 | 80%程度 |
| 合格証明番号の有効期間 | 2年間 | 2年間 |
出題は、国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に沿っています。2026年7月14日からは第5版に沿った内容です。
科目は、法律などの規則、機体のしくみ、操縦者と運航の体制、運航のリスク管理の4つです。国土交通省がサンプル問題を公開しています。
実地試験
実地試験は、机上試験・口述試験・実技試験でできています。100点の持ち点から減点していく方式です。
| 等級 | 合格の基準 |
|---|---|
| 一等 | 各試験科目の終了時に、持ち点80点以上 |
| 二等 | 各試験科目の終了時に、持ち点70点以上 |
マルチローターの基本・夜間・目視外は、原則として決まった会場で受ける「集合試験方式」です。公式サイトでは、予約がとても取りづらい状況だと案内されています(2026年11月3日に確認)。
身体検査
二等と一等(25kg未満限定)の主な基準は次のとおりです。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 視力 | 両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上(片目が見えない人などは別の基準あり) |
| 色覚 | 赤・青・黄の区別ができる |
| 聴力 | 後ろ2mからの普通の会話が正しく聞き取れる |
運転免許証(自動二輪・小型特殊・原付だけの免許は除く)などがあれば、書類での受検ができます。一等で25kg以上を飛ばす場合は、医師の診断書が必要です。身体検査の合格証明番号の有効期間は、原則1年です。
日数
講習の日数は、登録講習機関ごとに違います。国土交通省も、講習の日程と料金は各機関に問い合わせるよう案内しています。
公式で確かめられる目安はこちらです。
| 手続き | 目安 |
|---|---|
| 学科試験の合格の通知 | 受験日から8営業日が目安 |
| 書類での身体検査の結果 | 申込日から8営業日以降も連絡がなければ問い合わせ |
| 試験合格証明書の発行 | 7営業日 |
| 飛行の許可・承認の申請 | 飛行開始の少なくとも10開庁日前までに提出(3〜4週間の余裕をもつよう案内) |
費用:二等の直接試験で37,400円から
指定試験機関の手数料は、国が法令で決めた額です。すべて非課税です(2026年11月3日に公式で確認)。
| 項目 | 一等 | 二等 |
|---|---|---|
| 学科試験 | 9,900円 | 8,800円 |
| 実地試験(マルチローター・基本) | 22,200円 | 20,400円 |
| 実地試験(マルチローター・限定変更) | 20,800円 | 19,800円 |
| 身体検査(書類での受検) | 5,200円 | 5,200円 |
| 身体検査(会場での受検) | 19,900円 | 19,900円 |
実地試験は、ヘリコプターや飛行機だと金額が少し変わります。国に払う技能証明書の交付手数料は、新規で3,000円です。一等は、これに加えて登録免許税3,000円がかかります。
| ルートの例(マルチローター・基本・身体検査は書類) | 合計 |
|---|---|
| 二等・直接試験 | 8,800+20,400+5,200+3,000=37,400円 |
| 一等・直接試験 | 9,900+22,200+5,200+3,000+3,000=43,300円 |
| 講習ルート | 講習の受講料+学科試験+身体検査+交付手数料(実地試験は免除) |
講習の受講料は、登録講習機関ごとに違います。申し込む前に、各機関の公式で確かめてください。
取ったら一生使えるんですか?
ずっとではないんだ。更新のしかたも、このあと見ていこう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
有効期間と更新
技能証明の有効期間は3年です。更新の申請は、有効期間が切れる日の6か月前から1か月前までに行います。
更新には、身体の基準を満たしていることの確認と、登録更新講習機関の更新講習の修了が必要です。
取ったあとの仕事
国土交通省の案内には、農薬などの空中散布や、有人の地域での目視外飛行(レベル4飛行)が出てきます。国家資格は、こうした特定飛行を仕事で行うときの手続きに関わります。
ただし、ドローンの操縦だけを仕事として数えた求人の統計は、厚生労働省の職業別の統計にはありません。この記事では求人の数字は載せていません。
そろえる教材
ドローン国家資格の学科の問題集・解説書
学科試験は国の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に沿って出題されます。教則は版が変わることがあるので、最新の版に対応した本を選びましょう。教則そのものは国土交通省のサイトで読めます。
よくある質問
国家資格がないとドローンを飛ばしてはいけませんか?
いいえ。特定飛行に当たらないカテゴリーⅠは、資格も許可・承認もいりません。カテゴリーⅡも、飛行ごとに国の許可・承認を取れば資格なしで飛ばせます。
何歳から取れますか?
16歳以上です。16歳に満たない人は技能証明を申請できないと、航空法で決まっています。
スクールの講習を受けると、何が免除されますか?
登録講習機関の講習を受けて修了審査に合格すると、指定試験機関での実地試験が免除されます。学科試験と身体検査は受けます。
参考・出典
出典(11件)
- 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」(有効期間・更新・身体検査)
- 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明書の交付手数料額」
- 国土交通省「登録検査機関等に係る登録免許税の納付要領」(一等の登録免許税)
- 国土交通省「飛行ルールの対象となる機体」(100g以上)
- 国土交通省「飛行禁止空域・飛行の方法」
- 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」(カテゴリー・申請の時期)
- e-Gov法令検索「航空法」(第132条の42・45・47・50・51・85)
- 日本海事協会 無人航空機操縦士試験案内サイト「技能証明試験の種別・手数料」
- 同「概要」・「受験資格」
- 同「学科試験」・「実地試験」・「身体検査」
- 同「初めて受験される方(登録講習機関の講習を受講)」