職長・安全衛生責任者教育|職長教育は12時間・建設業は14時間
現場のリーダーになる人が受ける「職長教育」。必要な業種、法律で決まった科目と12時間の中身、建設業で安全衛生責任者の教育と合わせた14時間の形、5年ごとの再教育、日数と費用の例を、法令と厚生労働省・労働局の公式情報で整理しました。
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職長教育は12時間・2日間の例
職長・安全衛生責任者教育
AT A GLANCE
職長教育(職長・安全衛生責任者教育)の早見表
- 資格名
- 職長教育(職長・安全衛生責任者教育)
- 種類
- 安全衛生教育(労働安全衛生法第60条)
- 費用の目安
- 職長教育で23,650円の例(東京・税込・テキスト代込み)
- かかる日数
- 職長教育は2日間(学科のみ)の例
- 受ける条件
- 建設業・製造業(一部を除く)などで、新しく職長になる人が対象
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
目次
「職長になるから教育を受けてと言われた。何をするの?」
「職長教育と、職長・安全衛生責任者教育は何が違う?」
「何日かかる? 費用はいくら?」
職長教育は、試験に受かって取る免許ではありません。現場で働く人を直接まとめる立場になるときに受ける、法律で決まった安全の教育です。
この記事でわかること
- 職長教育が必要な業種と、対象になる人
- 法律で決まった5つの科目と時間(合計12時間)
- 建設業向けの「職長・安全衛生責任者教育」(14時間)との違い
- 日数と費用の例(東京で2日間・23,650円)
この記事の答え
建設業や製造業(一部を除く)などで新しく職長になる人には、会社が職長教育を受けさせる決まりがあります。
中身は法律で決まった5つの科目で、合計12時間以上です。建設業向けには、安全衛生責任者の教育と合わせた14時間の講習もあります。
費用は、東京の職長教育(12時間・2日間)の例で23,650円(税込・テキスト代込み)です。
来月から班をまとめることになって、職長教育を受けてと言われました。試験はありますか?
まずは、自分の会社の業種と、どちらの講習を受けるのかを確かめよう。そこで道が分かれるんだ。
ゴール:取ると何ができる?
職長とは、作業中の労働者を直接指導・監督する人のことです。班長やリーダーと呼ばれる立場も含みます。
法律(労働安全衛生法第60条)では、決められた業種の会社は、新しく職長の仕事につく人に安全や衛生の教育をしなければなりません。
ただし、作業主任者(作業ごとに国が決めた責任者)は、この教育の対象から外れています。
教育の中身は、法律で3つの柱が決まっています。
- 作業のやり方を決めることと、人の配置
- 働く人への指導や監督のしかた
- そのほか、けがや事故を防ぐために必要なこと
修了すると、現場のリーダーとして必要な知識を学んだ証明になります。講習機関によっては、修了証が渡されます。
職長教育が必要な業種
対象の業種は、政令(労働安全衛生法施行令第19条)で決まっています。
| 業種 | 備考 |
|---|---|
| 建設業 | ― |
| 製造業 | 一部を除く(下の表) |
| 電気業 | ― |
| ガス業 | ― |
| 自動車整備業 | ― |
| 機械修理業 | ― |
製造業のうち、対象から外れているのは次の4つです。
| 対象外の製造業 | 例外(対象になるもの) |
|---|---|
| たばこ製造業 | ― |
| 繊維工業 | 紡績業・染色整理業は対象 |
| 衣服その他の繊維製品製造業 | ― |
| 紙加工品製造業 | セロファン製造業は対象 |
令和5年4月1日から、それまで対象外だった食料品製造業と、新聞業・出版業・製本業・印刷物加工業も対象になりました。以前の情報を見るときは注意してください。
道筋:修了するまでの4ステップ
- 自分の業種を確かめる 会社の業種が上の表に入っているかを見ます。迷ったら職場の安全担当に聞きましょう。
- 受ける講習を決める 製造業などは「職長教育」(12時間)。建設業向けには「職長・安全衛生責任者教育」(14時間)もあるので、どちらを受けるかを職場に確かめます。
- 講習を申し込む 会社の中で行うほか、外部の安全衛生団体などの講習を受けることもできます。日程と料金は団体ごとに違います。
- 講習を受けて修了証を受け取る 学科の講習です。東京労働基準協会連合会の例では、原則として最終日に写真入りの修了証が交付されます。
講習の中身:5つの科目で12時間
労働安全衛生規則第40条では、職長教育の科目と時間がこう決まっています。
| 科目 | 主な内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 作業方法の決定と人の配置 | 作業手順の決め方・人の適切な配置 | 2時間 |
| 指導・監督のしかた | 指導と教育の方法・作業中の監督と指示 | 2.5時間 |
| 危険性・有害性の調査 | 危ないところを探して対策を決める(リスクアセスメント)・設備や作業の改善 | 4時間 |
| 異常時の対応 | いつもと違うとき・事故が起きたときの対応 | 1.5時間 |
| けがを防ぐ活動 | 設備や作業場所の保守・働く人の意見を引き出す方法 | 2時間 |
合計は12時間です。これは「この時間以上行う」という最低の時間です。
十分な知識と技能があると認められる人は、その科目を省略できるとされています。
建設業の「職長・安全衛生責任者教育」は14時間
建設現場では、下請けの会社が「安全衛生責任者」を選ぶ場面があります。安全衛生責任者は、元請の統括安全衛生責任者と連絡を取り、それを自分の会社の作業員に伝える役目です(労働安全衛生法第16条)。
現場では職長が安全衛生責任者を兼ねることが多いため、2つの教育を合わせた講習も行われています。
東京労働局の安全衛生教育のページでは、職長教育は学科12時間、「建設業における職長・安全衛生責任者教育」は14時間と載っています。
| 講習 | 時間 | 主に受ける人 |
|---|---|---|
| 職長教育 | 12時間 | 製造業など |
| 職長・安全衛生責任者教育 | 14時間 | 建設業の職長 |
講習機関によっては、14時間の講習を行っていないところがあります。東京労働基準協会連合会の安全衛生研修センターは、建設業の安全衛生責任者教育は行っていないと案内しています。建設業の人は、申し込む前に講習名を確かめてください。
うちは建設業なので、14時間のほうを選べばいいんですね。
申し込む前に、どちらの講習かを職場に聞いておこう。ちずがめの中の人も、この教育を受けているよ。
おおむね5年ごとの「再教育」
厚生労働省は、建設業の職長と安全衛生責任者に、おおむね5年ごと、または機械や設備が大きく変わったときに、もう一度教育(再教育)を受けさせることが望ましいとしています。
再教育の中身は、平成29年の厚生労働省の通達で決まっています。職長と安全衛生責任者を合わせた形の科目はこうです。
| 科目 | 時間 |
|---|---|
| 職長・安全衛生責任者として行う労働災害の防止 | 120分 |
| 労働者への指導・監督のしかた | 60分 |
| 危険性・有害性の調査など | 30分 |
| グループ演習(災害事例の研究・危険予知活動など) | 130分 |
元請の会社には、現場に入る職長や安全衛生責任者が、最初の教育と再教育を受けているかを確かめるよう求めています。
日数の例
東京労働基準協会連合会の職長教育(12時間)は、学科講習の2日間です。受講資格は「特に無し」とされています。
修了すると、原則として講習の最終日に写真入りのプラスチックカードの修了証が交付されます。
14時間の講習の日数は、講習機関ごとに決まっています。申し込み先の日程表で確かめてください。
費用:職長教育で約2.4万円の例
東京労働基準協会連合会(安全衛生研修センター)の料金表では、職長教育はこうなっています。
| 区分 | 受講料 | テキスト代 | 合計(税込) |
|---|---|---|---|
| 一般 | 22,550円 | 1,100円 | 23,650円 |
| 会員 | 19,250円 | 1,100円 | 20,350円 |
※令和8年9月1日現在の料金表より。会員とは、東京労働基準協会連合会や地区の労働基準協会の会員の会社のことです。
※これは12時間の職長教育の料金です。建設業向けの14時間の講習の料金ではありません。料金は講習機関ごとに違うので、申し込み先の公式の料金表で確かめてください。
2万円台か…。自分で払うものですか?
中の人の周りの現場では、会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。中の人も会社の負担で取ったんだ。
取ったあとの仕事
職長教育を受けた人は、現場のリーダーとして班をまとめます。作業の手順を決め、人を配置し、危ないところを見つけて対策をとる役目です。
建設の現場では、建物の骨組みをつくる仕事や土木の仕事で、職長や安全衛生責任者が置かれます。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの有効求人はこうなっていました。
| 仕事の分類 | 有効求人 |
|---|---|
| 建設躯体工事(建物の骨組みをつくる仕事) | 19,158件 |
| 土木作業 | 43,041件 |
※常用(パートを含む)の数字です。この中には、職長を求めていない求人も含まれます。
そろえる教材
eラーニングで学ぶなら:SAT
現場系・技術系の資格のeラーニングを扱うSAT株式会社の講座一覧には、「職長・安全衛生責任者」があります(2026年11月3日に公式サイトで確認)。受講のしかたや、修了証の扱いは講座ページで確かめてください。会社で受ける場合は、職場の決まりも先に確認しましょう。
よくある質問
職長教育は国家試験ですか?
いいえ。法律(労働安全衛生規則第40条)で科目と時間が決まった教育です。会社が自分で行うほか、外部の講習を受けることもできます。講習の進め方は、申し込み先で確かめてください。
製造業ですが、14時間の講習を受けてもいいですか?
14時間の講習は、職長教育の12時間の科目に、建設業の安全衛生責任者の教育を足した形です。製造業で求められているのは職長教育です。どちらを受けるかは、会社の安全担当に確かめましょう。
一度受ければずっと有効ですか?
法律で決まっているのは、新しく職長になるときの教育です。そのうえで厚生労働省は、建設業の職長と安全衛生責任者には、おおむね5年ごとの再教育が望ましいとしています。
参考・出典
出典(9件)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第16条・第60条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第19条(職長等の教育を行うべき業種)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第19条・第40条(安全衛生責任者の職務・職長等の教育)
- 東京労働局「安全衛生教育(特別教育・職長教育・雇入れ時の教育)」
- 厚生労働省「建設業における職長等及び安全衛生責任者の再教育」
- 厚生労働省「建設業における職長等及び安全衛生責任者の能力向上教育に準じた教育について」(平成29年2月20日 基発0220第3号・PDF)
- 東京労働基準協会連合会「職長教育 講習会のご案内」
- 東京労働基準協会連合会「受講料(安全衛生研修センター分)令和8年9月1日現在」(PDF)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」