車両系建設機械(ユンボ)免許の取り方|3t以上は技能講習・大特なら14時間
ユンボ(油圧ショベル)やブルドーザーの「免許」は、車両系建設機械の運転技能講習の修了証です。機体重量3トン以上は技能講習、3トン未満は特別教育。持っている免許と経験で38時間の講習が短くなる仕組みを、国の告示と教習所の公式情報で整理しました。
3t以上は技能講習・大特なら14時間
ユンボ(車両系建設機械)免許の取り方
AT A GLANCE
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の早見表
- 資格名
- 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
- 種類
- 技能講習(労働安全衛生法)
- 費用の目安
- 38時間コースで107,800〜117,000円、14時間コースで44,000〜49,000円の例(東京・千葉・税込)
- かかる日数
- 38時間コースは5日、14時間コースは2日の例
- 受ける条件
- 講習は全部で38時間。大型特殊免許や運転経験で14時間などに短くなる(普通免許だけでは短くならない)
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
MONEY MAP
この仕事の月収と、費用対効果
統計の職種:建設・さく井機械運転従事者
月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は−0.8万円。
| この職種 | 全体 | |
|---|---|---|
| 月収(きまって支給) | 36.3万円 | 37.0万円 |
| うち基本の給与(所定内) | 33.6万円 | 34.1万円 |
| 年間の賞与など | 52.7万円 | 101.0万円 |
| 年収の目安(計算値) | 約488万円 | 約546万円 |
費用対効果
取るのにかかる費用 117,000円(38時間コース・八王子の例)は、この職種の月収の約32%、日数にすると約9.7日分です。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。
目次
「現場でユンボに乗ってと言われたけど、どの資格を取ればいい?」
「3トン以上と3トン未満で、何が違うの?」
「講習は何日かかる? 費用はいくら?」
ユンボ(油圧ショベル)やブルドーザーの「免許」は、国家試験ではなく登録教習機関の講習を受けて取る修了証です。機械の重さと、持っている免許・経験で、受ける講習と時間が変わります。
この記事でわかること
- 機体重量3トン以上と3トン未満で、必要なものの違い
- 修了証を受け取るまでの4ステップ
- 持っている免許と経験で変わる講習の時間(38時間・14時間など)
- 日数と費用の例(38時間で5日・10万円台、14時間で2日・4万円台)
この記事の答え
機体重量3トン以上のユンボやブルドーザーを仕事で運転するには、「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」を修了する必要があります。
何も持っていない人は38時間。大型特殊免許があれば14時間です。普通免許だけでは時間は短くなりません。
費用は、38時間コースで107,800〜117,000円、14時間コースで44,000〜49,000円の例があります(東京・千葉の教習所・税込)。
土木の現場でユンボに乗ってほしいと言われました。何から調べればいいですか?
まずは、乗る機械が3トン以上か未満かを確かめよう。そこで道が分かれるんだ。
ゴール:取ると何ができる?
「ユンボの免許」「重機の免許」と呼ばれているものは、正しくは車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の修了証です。
対象になる機械は、国の政令(労働安全衛生法施行令 別表第七)で決まっています。
| 種類 | 主な機械 |
|---|---|
| 整地・運搬・積込み用 | ブルドーザー、モーターグレーダー、トラクターショベル、ずり積機、スクレーパー、スクレープドーザー |
| 掘削用 | パワーショベル、ドラグショベル、ドラグライン、クラムシェル、バケット掘削機、トレンチャー |
ユンボやショベルカーと呼ばれる油圧ショベルも、この講習の対象です。講習機関の案内でも、対象の例に油圧ショベルが挙がっています。
必要なものは、機械の重さで分かれます。
| 運転したい機械 | 必要なもの |
|---|---|
| 機体重量3トン以上 | 運転技能講習の修了 |
| 機体重量3トン未満 | 特別教育(小型車両系建設機械) |
道路を走らせる運転は、この講習の範囲に入りません。対象は、工事現場など道路以外での運転です。
「3トン」は、機械の本体の重さで数えます。住友建機教習所の講習案内では、機体質量を「ブーム・アームおよびバケット等の作業装置を取り除いた本体の乾燥質量」と説明しています。3トン以上か迷ったら、職場や教習機関に聞きましょう。
3トン未満の特別教育は、国の規程で学科7時間・実技6時間の、合わせて13時間以上と決まっています。
また、同じ「車両系建設機械」でも、くい打ち機などの基礎工事用や、ブレーカーなどの解体用は、別の講習です。乗る機械がどれに当たるか、先に職場で確かめておきましょう。
ほかの資格が要る作業
ユンボを使う作業でも、中身によっては別の講習が要ります。住友建機教習所の講習案内では、次の例が挙がっています。
| 作業の例 | 必要な講習 |
|---|---|
| クレーン機能付きの油圧ショベルでつり上げる | 移動式クレーン運転実技教習、または小型移動式クレーン運転技能講習 |
| ブレーカーを付けて壊す | 車両系建設機械(解体用)運転技能講習 |
| くい打ち・くい抜きなどの基礎工事 | 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習 |
| ローラーで地面を締め固める | ローラーの特別教育 |
現場でどこまで任されるかを、先に聞いておくと迷いません。
道筋:修了証を受け取るまでの4ステップ
- 機械の重さと自分のコースを確かめる 3トン以上なら技能講習です。持っている免許と、建設機械の運転経験で、講習の時間が決まります(下の表)。
- 登録教習機関に申し込む 講習を行えるのは、都道府県労働局に登録された教習機関です。日程と料金は機関ごとに決まっています。経験で時間を短くする場合は、会社の証明などの書類が要ります(下の「申し込みで要る書類の例」)。
- 学科と実技の講習を受ける 学科は機械の仕組み・作業の方法・力学と土質・法令、実技は走行と作業装置の操作です。
- 修了試験に合格して修了証を受け取る 国の規程で、学科試験と実技試験を行うと決まっています。
講習の時間:持っている免許と経験で変わる
国の告示(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習規程)では、講習の中身と時間がこう決まっています。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 走行に関する装置の構造と取扱い | 4時間 |
| 学科 | 作業に関する装置の構造・取扱いと作業方法 | 5時間 |
| 学科 | 運転に必要な一般的事項(力学・土質工学・土木施工の方法) | 3時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 走行の操作 | 20時間 |
| 実技 | 作業のための装置の操作 | 5時間 |
全部受けると38時間です。持っている免許や経験によって、一部の科目が免除されます。
| あなたの状態 | 免除される科目 | 講習の時間 |
|---|---|---|
| 免許なし、または普通免許だけで、建設機械の運転経験なし | なし | 38時間 |
| 車両系建設機械(基礎工事用)の技能講習を修了している | 走行の装置の学科(4時間) | 34時間 |
| 建設機械の運転の仕事を6か月以上 | 走行の操作(20時間) | 18時間 |
| 大型特殊免許を持っている/普通免許などを持ち、建設機械の運転の仕事を3か月以上/不整地運搬車の技能講習を修了している | 走行の装置の学科(4時間)と走行の操作(20時間) | 14時間 |
※「運転の仕事」は、3トン未満を含む整地・掘削・解体用の建設機械や、不整地運搬車の運転の業務です。普通免許などには、大型・中型・準中型と、第二種免許も含みます。
ほかにも、さらに短くなる決まりがあります。
- 建設機械施工管理技術検定の一定の合格者:走行の学科・一般的事項・関係法令・走行の操作が免除され、作業の装置の学科(5時間)と操作(5時間)の10時間
- 車両系建設機械(解体用)の技能講習を修了した人など:特例の講習で、学科4時間・実技2時間の合わせて6時間
経験の数え方や証明のしかたは、申し込む教習機関で確かめてください。
申し込みで要る書類の例
住友建機教習所 千葉教習センターの14時間コースでは、受講資格を「満18歳以上の健康な方」としたうえで、次の書類を求めています。
| 当てはまる条件 | 要る書類の例 |
|---|---|
| 大型特殊免許を持っている | 免許証のコピー |
| 普通免許などを持ち、特別教育を受けてから運転の仕事を3か月以上 | 運転免許証、特別教育の実施証明、運転経験の証明(事業主の印鑑)、小型車両系の特定自主検査の記録 |
| 不整地運搬車の技能講習を修了している | 修了証のコピー |
経験の証明は、会社に書いてもらう書類です。3トン未満で経験を積んでから14時間コースを狙う場合は、特別教育の修了証をなくさないようにしておきましょう。
普通免許は持っています。フォークリフトみたいに短くなりますか?
普通免許だけだと38時間のままなんだ。表のどの行に当てはまるか、一歩ずつ確かめよう。
日数の例
教習機関の公式ページでは、コースごとの日数はこうなっています。
| 教習機関(場所) | 14時間コース | 18時間コース | 38時間コース |
|---|---|---|---|
| コマツ教習所 東京センタ(東京都八王子市) | 2日 | 案内なし | 5日 |
| 住友建機教習所 千葉教習センター | 2日 | 3日 | 5日 |
※2026年11月3日に各公式ページで確認。住友建機教習所 千葉教習センターの18時間コースは、確認した時点では「開講していません」と書かれていました。
日程の組み方は教習機関ごとに違います。仕事を休む日数を決める前に、申し込み先の日程表を見てください。
費用:38時間コースで約11万円の例
教習機関の公式の料金表では、こうなっています(税込)。
| 教習機関(場所) | 14時間コース | 18時間コース | 38時間コース |
|---|---|---|---|
| コマツ教習所 東京センタ(東京都八王子市・テキスト代込み) | 49,000円 | 案内なし | 117,000円 |
| 住友建機教習所 千葉教習センター | 44,000円 | 52,800円 | 107,800円 |
※2026年11月3日に各公式ページで確認。受講料は教習機関ごとに決まっていて、場所によって違います。申し込み先の公式の料金表で確かめてください。
3トン未満の特別教育(13時間)は、コマツ教習所 東京センタで2日・21,000円(税込・テキスト代込み)の例があります。同じセンタには、学科をeラーニングで受けて実技を1日で受けるコース(21,000円)もあります。
住友建機教習所の講習ページには、会社向けの「人材開発支援助成金」の案内も載っています。支給の条件は、会社の担当者が確かめるものです。
38時間だと10万円をこえるんですね…。自分で払うものですか?
中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。申し込む前に、まず職場に聞いてみよう。
取ったあとの仕事
ユンボやブルドーザーを使う仕事は、道路や造成などの土木工事、建設現場などにあります。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの有効求人はこうでした(常用・パートを含む)。
| 職業 | 有効求人 |
|---|---|
| 定置・建設機械運転従事者 | 17,372件 |
| 土木作業 | 43,041件 |
よくある質問
ユンボに「免許」はないのですか?
国家試験の免許ではなく、登録教習機関の「運転技能講習」を修了して受け取る修了証です。一般には「ユンボの免許」「重機の免許」と呼ばれています。
3トン未満なら講習はいりませんか?
いります。機体重量3トン未満の機械の運転には、小型車両系建設機械の特別教育(学科7時間・実技6時間以上)が必要です。
大型特殊免許があれば、講習なしで乗れますか?
乗れません。大型特殊免許があると講習の一部が免除されて14時間になりますが、技能講習の修了は必要です。