高所作業車免許の取り方|10m以上は技能講習・普通免許なら14時間
高所作業車の「免許」は、作業床の高さ10m以上なら運転技能講習、10m未満なら特別教育です。講習の科目と時間、持っている免許で変わる免除、東京で2日・42,570円の例、公道を走るときの運転免許までを、国の告示と講習機関の公式情報で整理しました。
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10m以上は技能講習・10m未満は特別教育
高所作業車免許の取り方
AT A GLANCE
高所作業車運転技能講習の早見表
- 資格名
- 高所作業車運転技能講習
- 種類
- 技能講習(労働安全衛生法)
- 費用の目安
- 42,570円(全科目)・40,370円(一部免除)の例(東京・税込・テキスト代込み・令和8年9月1日現在)
- かかる日数
- 学科1日・実技1日の2日間の例(東京)
- 受ける条件
- 講習は全部で17時間。普通自動車免許などがあれば14時間、小型移動式クレーンの技能講習などを修了していれば12時間
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
目次
「高所作業車に乗ってと言われたけど、どの資格を取ればいい?」
「10m以上と10m未満で、何が違うの?」
「講習は何日かかる? 費用はいくら?」
高所作業車の「免許」は、国家試験ではなく、講習を受けて受け取る修了証です。作業床の高さが10m以上か未満かで、受ける講習が変わります。
この記事でわかること
- 10m以上の「技能講習」と10m未満の「特別教育」の違い
- 修了証を受け取るまでの4ステップ
- 持っている免許で変わる講習の時間(12〜17時間)
- 日数と費用の例(東京で2日・42,570円)
この記事の答え
作業床の高さが10m以上の高所作業車を仕事で運転するには、「高所作業車運転技能講習」を修了する必要があります。
10m未満なら、もっと短い「特別教育」で運転できます。技能講習は全部で17時間、普通自動車免許があれば14時間です。
費用は、東京の例で42,570円(税込・テキスト代込み)です。公道を走らせるには、これとは別に運転免許が必要です。
現場で高所作業車に乗ってと言われました。何から調べればいいですか?
まずは、乗る車の作業床が何mまで上がるかを確かめよう。そこで道が分かれるんだ。
ゴール:取ると何ができる?
高所作業車は、人が乗る作業床を上げ下げして、高い所で工事や点検、補修をするための機械です。
法令では、作業床の高さが2m以上のものを「高所作業車」と呼びます。作業床の高さは、作業床をいちばん高く上げたときの床面の高さで数えます。
| 運転したい高所作業車 | 必要なもの |
|---|---|
| 作業床の高さ10m以上 | 運転技能講習の修了 |
| 作業床の高さ10m未満 | 特別教育 |
技能講習を修了すると、作業床の高さが10m以上の高所作業車を仕事で運転できます。
10m未満だけなら、特別教育で運転できます。ただし、10m以上の車には乗れません。
どちらを受けるか迷ったら、職場でこれから使う車をすべて確かめましょう。1台でも10m以上の車があるなら、技能講習が必要です。
公道を走らせることは、どちらの講習の範囲にも入りません。法令の対象は「道路上を走行させる運転を除く」と決まっています。公道を走るには、道路交通法の運転免許が別に必要です。
道筋:修了証を受け取るまでの4ステップ
- 作業床の高さを確かめる 乗る車が10m以上なら技能講習、10m未満なら特別教育です。職場の車の仕様を見ておきます。
- 自分のコースを確かめて申し込む 技能講習は、持っている運転免許や資格で時間が変わります(下の表)。講習を行えるのは、都道府県労働局に登録された教習機関です。
- 学科と実技の講習を受ける 学科は装置の構造・原動機・力学・法令、実技は作業床を上げ下げする操作です。
- 修了試験に合格して修了証を受け取る 技能講習には学科試験と実技試験があります。合格すると修了証が交付されます。
講習の時間:技能講習は全部で17時間
国の告示(高所作業車運転技能講習規程)では、技能講習の中身と時間がこう決まっています。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 作業に関する装置の構造と取扱い | 5時間 |
| 学科 | 原動機(エンジン)に関する知識 | 3時間 |
| 学科 | 運転に必要な一般的事項(力学・感電の危険) | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 作業のための装置の操作 | 6時間 |
全部受けると17時間です。持っている免許や資格によって、一部の科目が免除されます。
| あなたの状態 | 免除される科目 | 講習の時間 |
|---|---|---|
| 運転免許も、下の資格もない | なし | 17時間 |
| 普通自動車免許など(大型・中型・準中型・大型特殊、二種も)を持っている | 原動機(3時間) | 14時間 |
| フォークリフト・ショベルローダー等・車両系建設機械・不整地運搬車の技能講習を修了/建設機械施工の技術検定に合格 | 原動機(3時間) | 14時間 |
| 小型移動式クレーンの技能講習を修了/移動式クレーン運転士免許を持っている | 原動機(3時間)と一般的事項(2時間) | 12時間 |
※免除を受けられるかどうかと、出す書類は、申し込む教習機関で確かめてください。
10m未満の特別教育は9時間以上
10m未満の特別教育も、国の告示(安全衛生特別教育規程)で中身が決まっています。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 作業に関する装置の構造と取扱い | 3時間以上 |
| 学科 | 原動機に関する知識 | 1時間以上 |
| 学科 | 運転に必要な一般的事項 | 1時間以上 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間以上 |
| 実技 | 作業のための装置の操作 | 3時間以上 |
合わせて9時間以上です。技能講習(17時間)と比べると、およそ半分の長さです。十分な知識と技能があると認められる人は、特別教育の科目を省略できるとされています。根拠は労働安全衛生規則第37条です。
普通免許を持っているので、技能講習は14時間ですね。
そう。申し込む前に、免許証を手元に用意しておこう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
日数の例
東京労働基準協会連合会(安全衛生研修センター)の技能講習は、学科1日・実技1日の2日間です。実技の日程は、申し込んだあとに受講票で知らされます。
この会場の受講資格は、決められた免許や修了証を持っていることです。普通自動車以上の運転免許や、フォークリフト・小型移動式クレーンなどの技能講習の修了証が当たります。修了試験に合格すると、原則として最終日に写真入りの修了証が交付されます。
10m未満の特別教育は、同じ会場で学科と実技を同じ日に行う1日です。受講資格は、普通自動車以上の運転免許を持っていることです。
日程の組み方や受講資格は、教習機関ごとに違います。仕事を休む日数を決める前に、申し込み先の案内を見てください。
費用:技能講習で約4.3万円の例
東京労働基準協会連合会(安全衛生研修センター)の料金表では、こうなっています。
| 講習 | 区分 | 受講料 | テキスト代 | 合計(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 技能講習(10m以上) | 全科目 | 40,150円 | 2,420円 | 42,570円 |
| 技能講習(10m以上) | 一部免除 | 37,950円 | 2,420円 | 40,370円 |
| 特別教育(10m未満) | 一般 | 22,550円 | 1,760円 | 24,310円 |
| 特別教育(10m未満) | 会員 | 20,350円 | 1,760円 | 22,110円 |
※令和8年9月1日現在の料金表より。「全科目」「一部免除」は料金表の書き方のままです。この講習機関の受講資格は、運転免許や関連する修了証を持つ人の区分に限られているので、免除なしの17時間コースの料金ではない点に気をつけてください。「会員」は、東京労働基準協会連合会や都内の各労働基準協会の会員を指します。受講料は教習機関ごとに決まっていて、場所によって違います。自分がどの区分になるかも含めて、申し込み先の公式の料金表で確かめてください。
4万円台か…。会社が出してくれることもありますか?
中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。申し込む前に、まず職場に聞いてみよう。
公道を走るときは運転免許が別に必要
技能講習と特別教育は、作業場で作業床を上げ下げしたり、走らせたりするための資格です。公道を走らせる運転は、対象から外れています。
道路交通法では、公安委員会の運転免許を受けずに自動車を運転してはいけません。トラックの荷台に作業装置を載せた高所作業車で公道を走るなら、その車の大きさや種類に合った運転免許が必要です。
どの免許が必要かは、車ごとに違います。車検証の内容を職場で確かめてください。
作業場の中だけで使う車なら、運転免許がなくても特別教育や技能講習で運転できる場合があります。ただし、講習機関によっては受講資格に運転免許を求めています。先に申し込み先の条件を見ておくと安心です。
取ったあとの仕事
厚生労働省の建設労働者育成支援事業のサイト「建設業ウェルカム」は、この資格を紹介しています。高所作業車は、高い所での工事や点検、補修などの作業に使うものと説明されています。
高所作業車を運転する人だけの求人の数や平均月収は、国の統計にはありません。職業の分類に「高所作業車の運転」という区分がないためです。そのため、この記事では月収の比較を載せていません。
そろえる教材
eラーニングで学ぶなら:SAT
現場系・技術系の資格のeラーニングを扱うSAT株式会社の講座一覧には、「高所作業車運転業務特別教育」(10m未満の特別教育)があります(2026年11月3日に公式サイトで確認)。実技の扱いや修了証の条件は、講座ページで確かめてください。
よくある質問
高所作業車に「免許」はないのですか?
国家試験の免許ではありません。10m以上は登録教習機関の「運転技能講習」を修了して受け取る修了証、10m未満は「特別教育」です。一般には「高所作業車免許」と呼ばれています。
運転免許がなくても技能講習を受けられますか?
国の告示では、免除なしの17時間で受けることになっています。ただし、東京労働基準協会連合会のように、運転免許や関連する修了証を受講資格にしている教習機関もあります。申し込み先の受講資格を確かめてください。
技能講習を修了すれば、公道も運転できますか?
できません。技能講習は道路上を走らせる運転を除いた業務のための資格です。公道を走るには、車に合った運転免許が別に必要です。
参考・出典
出典(9件)
- 厚生労働省「高所作業車運転技能講習規程」(平成2年労働省告示第67号)
- 厚生労働省「安全衛生特別教育規程」第13条(10m未満の特別教育)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第10条第7号・第20条第15号
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第36条第10号の5・第37条
- e-Gov法令検索「道路交通法」第64条・第84条
- 東京労働基準協会連合会「高所作業車運転技能講習のご案内」
- 東京労働基準協会連合会「高所作業車 特別教育 講習会のご案内」
- 東京労働基準協会連合会「受講料(安全衛生研修センター分)令和8年9月1日現在」(PDF)
- 厚生労働省 建設労働者育成支援事業「建設業ウェルカム」高所作業車運転技能講習(10m以上)