小型船舶免許の取り方|一級・二級・特殊の違いと費用の例
ボートや水上オートバイに乗るための小型船舶操縦士免許。一級・二級・特殊で乗れる範囲と年齢、登録教習所で国家試験の一部が免除になる道と直接受ける道、試験手数料(二級30,300円)、5年ごとの更新までを国土交通省と試験機関の公式情報で整理しました。
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一級・二級・特殊の3つ
小型船舶免許の取り方
AT A GLANCE
小型船舶操縦士免許(一級・二級・特殊)の早見表
- 資格名
- 小型船舶操縦士免許(一級・二級・特殊)
- 種類
- 国家資格(船舶職員及び小型船舶操縦者法)
- 費用の目安
- 国家試験の手数料は二級30,300円・一級35,450円・特殊27,650円。登録教習所の例は二級149,700円(横浜市・税込・国家試験手数料など込み)
- かかる日数
- 国家試験は通常1日。登録教習所の例は二級3日間・一級5日間
- 受ける条件
- 一級は18歳以上、二級・特殊は16歳以上で免許を受けられる(受験は一級17歳9か月・二級と特殊15歳9か月から)
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
目次
「ボートや水上バイクに乗るには、どの免許が要る?」
「一級と二級と特殊、何が違って、何歳から取れる?」
「教習所に通うのと国家試験を直接受けるの、どちらがいい?」
小型船舶操縦士免許は、ボートや水上オートバイの船長になるための国家資格です。乗る船と出たい海の広さで、取る区分が変わります。
この記事でわかること
- 一級・二級・特殊で乗れる船と水域の違い
- 受けられる年齢と、身体検査の基準
- 登録教習所に通う道と、国家試験を直接受ける道
- 試験の手数料・教習料の例・5年ごとの更新
この記事の答え
ボートは一級か二級、水上オートバイは特殊の免許が必要です。二級は海岸から5海里(約9キロ)まで、一級は水域の制限がありません。
取り方は、登録小型船舶教習所の講習を修了して国家試験の学科・実技を免除してもらう道と、国家試験を直接受ける道の2つです。
国家試験の手数料は二級で30,300円です。登録教習所の例では、二級の教習料は149,700円(横浜市・税込・国家試験手数料など込み)です。
釣りでボートに乗りたいです。まずどの免許かを決めればいいですか?
そうだね。乗りたい船と、どこまで出たいかを先に決めよう。そこで区分が決まるよ。
ゴール:取ると何ができる?
免許を取ると、小型船舶に船長として乗れるようになります。小型船舶は、総トン数20トン未満の船のことです。
国土交通省によると、モーターボートなどは一級か二級、水上オートバイは特殊の免許がないと、船長として乗れません。
| 区分 | 乗れる船 | 乗れる水域 |
|---|---|---|
| 一級 | ボート・ヨットなど(水上オートバイは不可) | 制限なし |
| 二級 | ボート・ヨットなど(水上オートバイは不可) | 平水区域と、海岸から5海里(約9キロ)まで |
| 二級(湖川小出力限定) | 総トン数5トン未満で、エンジン出力15キロワット未満の船 | 湖や川(指定された一部の海域を含む) |
| 特殊 | 水上オートバイだけ | 湖岸や海岸から2海里(約3.7キロ)まで |
平水区域は、湖や川、湾など、陸にほぼ囲まれた水域です。海里は、海で使う距離の単位です。
気をつけたい点が3つあります。
- 一級・二級では水上オートバイに乗れません。 水上オートバイには特殊が必要です。
- 一級でも、帆船以外の船で沿海区域の外側80海里(約150キロ)より遠くへ出るときは、六級海技士(機関)以上の人を乗せる必要があります(船長は兼ねられません)。
- 旅客船や遊漁船など、人を運ぶ船の船長になるには、一級か二級に加えて「特定操縦免許」が要ります。
一級(または二級)と特殊の両方を取ると、両方が書かれた1枚の免許証になります。
受けられる人:年齢と身体検査
年齢の決まりは、国土交通省と試験機関の案内でこうなっています。
| 区分 | 受験できる年齢 | 免許を受けられる年齢 |
|---|---|---|
| 一級 | 17歳9か月から | 18歳以上 |
| 二級(湖川小出力限定を含む) | 15歳9か月から | 16歳以上 |
| 特殊 | 15歳9か月から | 16歳以上 |
18歳未満で二級を取ると、乗れる船は5トン未満に限られます。18歳になると手続きなしでこの限定は外れ、次の更新で限定のない免許証になります。
試験の最初に身体検査があります。身体検査に合格しないと、学科試験と実技試験は受けられません。
| 検査 | 基準 |
|---|---|
| 視力(眼鏡などで矯正してよい) | 両眼とも0.5以上。片眼が0.5未満なら、もう片眼が0.5以上で、視野が左右150度以上 |
| 色覚 | 夜に船の灯火の色を見分けられる |
| 聴力(補聴器可) | 5メートル以上の距離で、ふつうの声の話が聞き取れる |
| 病気・体の障害 | あっても軽く、操縦に差し支えない |
夜の灯火の色が見分けられなくても、昼に航路標識の色を見分けられれば、航行する時間帯を昼に限った免許を取れます。不安な人は、試験機関の「身体適性相談コーナー」で事前に相談できます。
道筋:免許を手にするまでの5ステップ
- 取る区分を決める ボートなら一級か二級、水上オートバイなら特殊です。上の表で、出たい水域と年齢を確かめます。
- 通う道を選ぶ 登録小型船舶教習所に通うか、国家試験を直接受けるかを決めます(下で説明)。
- 学科と実技を身につける 登録教習所なら、法律で決まった時間の講習を受け、修了試験に合格します。
- 国家試験を受ける 登録教習所を修了した人は、国家試験の学科と実技が免除され、身体検査だけになります。
- 運輸局などで免許を申請する 合格した日から1年以内に申請すると、免許証が交付されます。
登録教習所に通う道
国土交通省の言い方では「教習コース」です。国に登録された教習所で講習を受けます。国家試験と同じ内容の修了試験に合格すると、国家試験の学科と実技が免除されます。
試験機関によると、登録教習所は海洋・水産系の大学や高校が約50校、民間が約50団体です。決まった講習の時間は次のとおりです。
| 区分 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|
| 一級 | 24時間以上 | 12時間以上 |
| 二級 | 12時間以上 | 12時間以上 |
| 二級(湖川小出力限定) | 5時間以上 | 5時間以上 |
| 特殊 | 6時間以上 | 1.5時間以上 |
※実技の時間は、何人かで一緒に船に乗る場合の時間です。
国家試験を直接受ける道
国土交通省の言い方では「受験コース」です。試験は、国の指定試験機関の日本海洋レジャー安全・振興協会(JMRA)が行います。
勉強のしかたは、免許スクール(登録教習所ではない民間の講習)に通うか、自分で勉強するかです。試験機関の案内では、学科は独学もできますが、実技は難しい面があると書かれています。
申し込みは、試験開始期日の20日前から7日前までに、JMRAの窓口に出します。試験開始期日は、ふつう学科試験の日です。
教習所と直接受験、どちらにするか迷います。
下の試験の中身と費用を見比べてみよう。実技の練習をどこでするかも考えておくと決めやすいよ。
試験の中身:学科と実技
学科試験は、国の「小型船舶の航行の安全に関する教則」の範囲から出ます。
| 区分 | 問題数 | 試験時間 | 出し方 | 実技で使う船(試験時間) |
|---|---|---|---|---|
| 一級 | 64問 | 2時間20分 | 4つから1つ選ぶ | 5トン未満・長さ4〜9メートル未満の船(約1時間15分) |
| 二級 | 50問 | 1時間10分 | 4つから1つ選ぶ | 一級と同じ(約1時間15分) |
| 二級(湖川小出力限定) | 30問 | 30分 | 正しいか誤りか | 出力15キロワット未満の船外機の船(約30分) |
| 特殊 | 40問 | 50分 | 4つから1つ選ぶ | 3人乗りの水上オートバイ(約20分) |
学科の合格の基準は、科目ごとに半分以上、かつ全体の65%以上の正解です。二級なら50問中33問以上です。一級は、一般科目で33問以上、上級科目で10問以上が必要です。
一級・二級の実技では、発航前の点検、ロープの結び方、発進・停止、人命救助、桟橋を離れる・着ける操作などを行います。
すでに免許を持っている人が上の区分を取るときは、科目の一部が免除されます。たとえば二級から一級に上げるときは、学科の「上級運航Ⅰ・Ⅱ」だけを受けます。
日数:国家試験は通常1日
試験機関によると、国家試験は通常1日ですべて行います。実技を別の日に行うこともあります。
登録教習所の日数は、教習所ごとに違います。日本船舶職員養成協会(横浜市中区)の公式ページでは、次の日程です。
- 二級:3日間(学科2日・実技1日。修了の試験も期間内に行う)
- 一級:5日間
- 二級から一級への進級:2日間
合格の有効期間にも気をつけましょう。身体検査は1年、学科試験と実技試験は2年です。全部に合格すると「操縦試験合格証明書」が出ますが、これも1年以内に免許を申請しないと使えません。
費用:国家試験の手数料と、教習料の例
国家試験の手数料
試験機関(JMRA)の公式ページから抜き出しました(2026年11月3日に確認)。
| 区分 | 身体検査 | 学科試験 | 実技試験 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 一級 | 4,250円 | 10,000円 | 21,200円 | 35,450円 |
| 二級 | 4,250円 | 4,850円 | 21,200円 | 30,300円 |
| 二級(湖川小出力限定) | 4,250円 | 4,250円 | 17,900円 | 26,400円 |
| 特殊 | 4,250円 | 4,400円 | 19,000円 | 27,650円 |
※申し込む前に病院で検査を受け、決まった様式の「身体検査証明書」を出すと、身体検査の手数料は2,450円です。
合格したあと、免許を申請するときに登録免許税がかかります。一級2,000円、二級1,800円、特殊1,500円で、収入印紙で納めます。
登録教習所の教習料の例
日本船舶職員養成協会(神奈川県横浜市中区本牧ふ頭)の公式ページの教習料です。2026年11月3日に確認した金額です。
| コース | 教習料(税込) | 日数 |
|---|---|---|
| 一級 | 189,600円 | 5日間 |
| 二級 | 149,700円 | 3日間 |
| 進級(二級から一級) | 39,900円 | 2日間 |
この教習料には、国家試験手数料・海事代理士への委託料・免許申請料が含まれています。補講が必要になったときは、別に料金がかかります。この教習所は特殊と湖川小出力限定の教習はしていません。
※教習料は教習所ごとに違います。申し込む前に、通う予定の教習所の公式の料金表で確かめてください。
国家試験だけなら3万円ほど、教習所だと15万円ほどなんですね。
教習所の料金には何が入っているかも見比べようね。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
更新:免許証は5年ごと
国土交通省によると、操縦免許証の有効期間は5年です。更新の手続きは、有効期間が切れる日の1年前からできます。
更新には、次の2つが必要です。
- 身体検査の基準を満たしていること
- 更新講習を修了していること
一級(または二級)と特殊の両方を持っていても、更新講習は1回で済みます。講習を受けたあと、運輸局などに申請します。申請のときは収入印紙1,350円が要ります。
更新講習の料金の例として、JMRAの窓口か郵送で申し込む場合は、身体検査料1,000円と受講料4,500円で合計5,500円(税込)です。
期限を過ぎると免許証は失効し、船長として乗れなくなります。ただし資格そのものは一生有効です。失効再交付講習を受けて、運輸局などで再交付を申請します(収入印紙1,250円)。
取ったあとの仕事
旅客船や遊漁船など、人を運ぶ小型船舶の船長になるには、一級か二級に加えて「特定操縦免許」が必要です。特定操縦免許は、国に登録された機関の講習を修了して受けます。
小型船舶の操縦だけを仕事として数えた求人の統計は、厚生労働省の職業別の統計にはありません。この記事では、求人と月収の数字は載せていません。
そろえる教材
小型船舶免許の学科の問題集
国家試験を直接受ける場合は、学科の問題集で出題に慣れておくと進めやすくなります。登録教習所で受ける場合は、教習所の教材が使われます。
よくある質問
二級の免許で水上オートバイに乗れますか?
乗れません。水上オートバイには特殊の免許が必要です。逆に、特殊だけではボートに乗れません。
16歳でボートの免許は取れますか?
二級なら16歳から取れます(受験は15歳9か月から)。ただし18歳になるまでは、乗れる船が5トン未満に限られます。一級は18歳以上です。
免許の更新を忘れたら、取り直しですか?
取り直しではありません。資格は一生有効なので、失効再交付講習を受けて、運輸局などで再交付を申請します。再交付された免許証は、交付の日から5年間有効です。
参考・出典
出典(13件)
- 国土交通省「免許の取り方」
- 国土交通省「免許制度」(免許の区分・小型船舶の範囲・免許証)
- 国土交通省「試験の概要」(区分ごとの水域・受験年齢・身体検査・学科試験)
- 国土交通省「免許の申請」(登録免許税)
- 国土交通省「操縦免許証の更新」
- 国土交通省「免許証の失効」
- 国土交通省「登録小型船舶教習所」一覧
- 日本海洋レジャー安全・振興協会「免許制度について」
- 日本海洋レジャー安全・振興協会「資料集 外洋航海の条件」
- 日本海洋レジャー安全・振興協会「試験について」(試験の内容・受験のしかた・手数料)
- 日本海洋レジャー安全・振興協会「更新方法は?」(更新講習の料金)
- 日本船舶職員養成協会「小型船舶操縦士免許取得教習のご案内」(横浜市中区)
- e-Gov法令検索「船舶職員及び小型船舶操縦者法」(第23条の2 操縦免許、第23条の4 年齢、第23条の10 試験の免除)