01運転・輸送

けん引免許の取り方|750kg超のトレーラーに必要・技能12時限

車両総重量750kgを超えるトレーラーを引っぱるときに必要なけん引免許。18歳以上で、普通免許などを持っている人が受けられます。必要になる条件、学科教習なし・技能12時限の中身、費用の例(藤枝・税込18万2,600円)を、法令と教習所の公式情報で整理しました。

750kg超のトレーラーに必要

けん引免許の取り方

AT A GLANCE

牽引免許(けん引免許)の早見表

資格名
牽引免許(けん引免許)
種類
運転免許(道路交通法)
費用の目安
182,600円の例(静岡県藤枝市・税込・平日昼間のコース・最短で卒業した場合)
かかる日数
技能12時限・学科教習なし。計算上、技能教習だけで最短6日
受ける条件
18歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許(または第二種免許)を持っていること
公式の出典
公式情報を確認する ↗

MONEY MAP

この仕事の月収と、費用対効果

統計の職種:営業用大型貨物自動車運転者(けん引免許を持つ人だけの平均ではありません)

この職種38.7万円
全体の平均37.0万円

月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は+1.6万円。

この職種全体
月収(きまって支給)38.7万円37.0万円
うち基本の給与(所定内)30.6万円34.1万円
年間の賞与など43.0万円101.0万円
年収の目安(計算値)約507万円約546万円

費用対効果

取るのにかかる費用 182,600円(普通免許などを持つ人・藤枝の例)は、この職種の月収の約47%、日数にすると約14.2日分です。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。

目次

「トレーラーを引っぱる仕事に興味がある。どんなときにけん引免許が要る?」

「普通免許しかないけど、そのまま受けられる? 何歳から?」

「教習所に何時限通って、いくらかかる?」

けん引免許は、重いトレーラーを車で引っぱって走るときに必要な運転免許です。引っぱる車の免許とは別に、もう1枚の免許として持つ形になります。

この記事でわかること

  • けん引免許が必要になる条件(車両総重量750kg超)
  • 受けられる年齢と、先に持っておく免許
  • 教習所での時限(技能12時限・学科教習なし)と試験の中身
  • 費用の例(藤枝・戸田の教習所で税込18万円台)

この記事の答え

車両総重量が750kgを超えるトレーラーなどを引っぱって走るには、けん引免許が必要です。

18歳以上で、普通免許などを持っている人が受けられます。指定自動車教習所では技能12時限で、学科教習はありません。

費用は、静岡県藤枝市の教習所の例で182,600円(税込・平日昼間のコース)です。

読者読者

トレーラーを引っぱる仕事って、どの免許から考えればいいんですか?

ちずがめちずがめ

「引っぱる車の免許」と「けん引免許」の2つに分けて考えると、道がすっきりするよ。

ゴール:取ると何ができる?

けん引免許を取ると、「重被牽引車(じゅうひけんいんしゃ)」を引っぱって走れるようになります。重被牽引車は、法律の言葉で「重いトレーラー」のことです。

道路交通法では、重被牽引車を次のように決めています。

条件中身
1つめ引っぱられるための構造と装置がある車両(トレーラーなど)
2つめ車両総重量が750kgを超える

車両総重量は、車両そのものの重さと、積める荷物の重さなどを合わせた重さです。2つの条件にあてはまる車両を引っぱるときに、けん引免許が必要になります。

大事なのは、けん引免許だけでは走れないことです。 法律では、引っぱる側の車の免許に加えて、けん引免許を受けなければならないと決まっています。

  • 普通自動車でトレーラーを引っぱる → 普通免許+けん引免許
  • 大型自動車でトレーラーを引っぱる → 大型免許+けん引免許

けん引免許を持っていれば、自分の免許で運転できる車で、重被牽引車を引っぱれます。

車両総重量が750kg以下のトレーラーなら、重被牽引車にはあたりません。必要な免許は、トレーラーの車検証などにある車両総重量で確かめてください。

受けられる人:年齢と持っている免許

受けられる条件は、道路交通法で決まっています。

項目条件
年齢18歳以上
先に持っておく免許大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許、または大型・中型・普通・大型特殊の第二種免許のどれか
運転の経験年数決まりはない

中型免許や大型免許と違い、免許を持っていた年数の決まりはありません。普通免許を取ったあとなら、受けられます。

また、別に「けん引第二種免許」があります。こちらは21歳以上で、免許の経験が通算3年以上などの条件があります(特例の教習を受けた人は19歳・1年以上など)。この記事では、第一種のけん引免許を説明します。

道筋:けん引免許を手にするまでの4ステップ

  1. 受けられるか確かめる 年齢と持っている免許(上の表)に加えて、視力と「深視力」の基準があります(下で説明)。
  2. 指定自動車教習所に入校する けん引の教習をしている教習所を選びます。料金は教習所ごとに違います。
  3. 技能教習を受けて、卒業検定に合格する 「基本操作及び基本走行」5時限と「応用走行」7時限です。学科教習はありません。
  4. 運転免許センターなどで手続きをする 卒業すると技能試験が免除されます。卒業証明書には期限(技能検定を受けた日から1年)があります。

視力と深視力の基準は、道路交通法施行規則で次のように決まっています。深視力は、物の遠い近いを見分ける力です。

検査基準
視力(眼鏡・コンタクト可)両眼で0.8以上、かつ片眼それぞれ0.5以上
深視力2.5メートルの距離で3回検査し、平均の誤差が2センチ以下
色の見分け赤・青・黄を見分けられる

学科の試験もありません。 道路交通法では、けん引免許の試験は「運転に必要な適性」と「運転に必要な技能」の2つだけです。知識の試験(学科試験)は行いません。

教習の時限と、試験の中身

指定自動車教習所での教習時間は、道路交通法施行規則で基準が決まっています。1時限は50分です。

今持っている免許技能(基本操作及び基本走行)技能(応用走行)技能の計学科
大型・中型・準中型・普通・大型特殊、または第二種免許5時限7時限12時限なし

※表の時限は最短の数です。上手にできるまで時限が増えることがあります。

技能試験(教習所では卒業検定)でみる項目は、施行規則で次の5つと決まっています。

  • 幹線コースと周回コースの走行
  • 交差点の通行
  • 横断歩道と踏切の通過
  • 曲線コースの走行
  • 方向変換(バックで向きを変える)

合格の基準は、70パーセント以上の成績です。

小さいトレーラー向けの試験もあります。 施行規則では、車両総重量2,000kg未満のキャンピングトレーラーなど(セミトレーラーを除く)に係るけん引免許を受ける人は、その車両で技能試験を受けると決まっています。大阪府警察のページでは、光明池運転免許試験場ではけん引免許の技能試験を行っていないものの、「小型トレーラー限定免許(持ち込み車両のみ)」は受けられると案内されています。受け方は都道府県で違うので、住んでいる地域の運転免許試験場で確かめてください。

読者読者

学科がないなら、運転の練習に集中できそうですね。

ちずがめちずがめ

そうだね。12時限を1つずつ積み上げよう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。

日数:計算上は最短6日、実際は予約しだい

1日に受けられる技能教習には上限があります。道路交通法施行規則の基準では、**1日3時限まで(基本操作及び基本走行は1日2時限まで)**です。

けん引免許の教習で計算すると、こうなります。

  • 基本操作及び基本走行 5時限 → 1日2時限まで → 最短3日
  • 応用走行 7時限 → 1日3時限まで → 最短3日

技能教習だけで、計算上は最短6日です。ここに検定の日や、教習車の予約の空きが加わります。

実際の日数は、教習所の混み具合と、自分が通える日で大きく変わります。入校前に、予約の取りやすさを聞いておくと安心です。

費用:税込18万円台の例

教習所の公式ページの料金表から、2つの例を抜き出しました。どちらも2026年11月3日に確認した金額(税込)です。

教習所(場所)対象の人時限料金(税込)
東名自動車学校(静岡県藤枝市)普通・準中型・中型・大型免許を持つ人技能12182,600円
埼玉とだ自動車学校(埼玉県戸田市)大型・中型・準中型・普通免許を持つ人技能12・学科0181,500円

それぞれのページには、次の注意も書かれています。

  • 東名自動車学校:入学金・技能教習料(規定の時限)・卒業検定料(初回分)などを含む。平日昼間(月〜金18:20まで)のみの料金で、全日の教習は別に16,500円(税込)。追加の技能教習は1時限11,000円、2回目以降の検定は7,700円(どちらも税込)
  • 埼玉とだ自動車学校:追加の技能教習・補習・検定の再受験は、どれも7,700円(税込)

※料金は教習所ごとに決まっていて、地域や時期で違います。申し込む前に、通う教習所の公式の料金表で確かめてください。

読者読者

18万円台かぁ…。自分で全部払うのは、ちょっと迷います。

ちずがめちずがめ

中の人の周りの現場では、会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。中の人も会社の負担で取ったんだ。

国の制度(厚生労働省)

  • 教育訓練給付金:厚生労働大臣が指定した講座を修了すると、費用の一部が戻る制度です。一般教育訓練なら費用の20%(上限10万円)です。上の2校とも、けん引のコースを教育訓練給付金の対象と案内しています。対象かどうかは、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」でも確かめられます。受けられる条件は、住んでいる地域のハローワークに聞いてください。
  • 人材開発支援助成金:会社が、働く人に仕事に関係する訓練を計画どおり受けさせたときに、会社に訓練の費用などの一部が出る制度です。申し込むのは会社なので、使えるかどうかは職場に聞いてください。

取ったあとの仕事

けん引免許は、トレーラーを引っぱって荷物を運ぶ仕事に必要になります。重いトレーラーを引っぱる車が大型自動車なら、大型免許もあわせて必要です。

国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、「自動車運転従事者」の仕事のハローワークの有効求人は98,821件でした(常用・パートを含む)。この数字はトラックやバスなど運転の仕事全体で、トレーラーの仕事だけの数ではありません。

求人には「大型免許」「けん引免許」など、必要な免許が書かれています。応募する前に、引っぱる車の免許と、けん引免許の両方がそろうかを確かめておくと安心です。

よくある質問

普通免許を取ってすぐに、けん引免許は取れますか?

18歳以上で普通免許などを持っていれば受けられます。中型免許や大型免許と違い、免許を持っていた年数の決まりはありません。

けん引免許だけで大きなトレーラーを運転できますか?

できません。引っぱる側の車の免許も必要です。たとえば引っぱる車が大型自動車なら、大型免許とけん引免許の両方が要ります。

軽いトレーラーでも、けん引免許は要りますか?

車両総重量が750kg以下のトレーラーなら、けん引免許は要りません。750kgを超えるかどうかは、トレーラーの車検証などで確かめてください。

参考・出典

出典(8件)
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