03建設・土木・電気工事

移動式クレーン運転士免許の取り方|5t以上・学科試験と実技教習

つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを運転するには、国家試験の「移動式クレーン運転士免許」が必要です。学科試験の科目・問題数・時間・合格基準、実技教習で実技試験が免除になるしくみ、手数料、令和7年度の合格率、教習の日数と料金の例を公式情報で整理しました。

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学科は年6回・合格率65.7%

移動式クレーン運転士の取り方

AT A GLANCE

移動式クレーン運転士免許の早見表

資格名
移動式クレーン運転士免許
種類
国家資格(労働安全衛生法の免許)
費用の目安
学科試験の手数料8,800円+実技教習の料金(東京の例で総合計145,380円・税込)
かかる日数
学科試験は1日(2時間30分)。実技教習は最短6日間の例(学科の教習を含む)
受ける条件
受験資格は不要(本人確認の書類が必要)。免許を受けられるのは満18歳から
公式の出典
公式情報を確認する ↗

MONEY MAP

この仕事の月収と、費用対効果

統計の職種:クレーン・ウインチ運転従事者(人数が少なく数字がぶれやすい職種。免許を持つ人だけの平均ではない)

この職種41.3万円
全体の平均37.0万円

月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は+4.2万円。

この職種全体
月収(きまって支給)41.3万円37.0万円
うち基本の給与(所定内)35.9万円34.1万円
年間の賞与など91.2万円101.0万円
年収の目安(計算値)約587万円約546万円

費用対効果

取るのにかかる費用 145,380円(学科+実技教習・東京の例)は、この職種の月収の約35%、日数にすると約10.6日分です。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。

目次

「5トン以上のクレーンに乗ることになった。小型の講習では足りないの?」

「学科試験と実技教習って、どう組み合わせるの?」

「試験の中身と、費用・日数のめやすを知りたい」

移動式クレーン運転士免許は、つり上げ荷重5トン以上のトラッククレーンやラフテレーンクレーンなどを運転するための国家資格です。講習の修了証ではなく、試験に合格して免許を受けます。

この記事でわかること

  • 5トンを境に変わる、必要な資格の違い
  • 学科試験と実技教習で免許を受けるまでの5ステップ
  • 学科試験の科目・問題数・時間・合格基準と、令和7年度の合格率
  • 手数料と、実技教習の日数・料金の例

この記事の答え

つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを運転するには、移動式クレーン運転士免許が必要です。

試験は学科と実技です。ただ、教習機関の「移動式クレーン運転実技教習」を修了すると、1年以内なら実技試験が免除され、学科試験だけを受ければよくなります。

学科試験の手数料は8,800円です。令和7年度の学科試験の合格率は65.7%でした。教習の料金は、東京の例で学科+実技の総合計145,380円(税込)です。

読者読者

小型移動式クレーンの講習と、何が違うんでしょう?

ちずがめちずがめ

講習で取る修了証か、国の試験で取る免許かの違いなんだ。まずは区分の表から見てみよう。

ゴール:取ると何ができる?

免許を受けると、つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを運転する仕事ができます。つり上げ荷重とは、そのクレーンがつれる重さの上限のことです。5トン未満のクレーンも運転できます。

安全衛生技術試験協会は、対象の例として、トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、クローラクレーン、フローチングクレーン(船の上のクレーン)を挙げています。建設や港湾の現場で広く使われています。

必要な資格は、つる荷の重さではなく、クレーンのつり上げ荷重で決まります。区分は法令でこう分かれています。

移動式クレーンのつり上げ荷重必要なもの
0.5トン未満クレーン等安全規則の対象外
0.5トン以上1トン未満特別教育(会社が行う教育)
1トン以上5トン未満小型移動式クレーン運転技能講習の修了(または移動式クレーン運転士免許)
5トン以上移動式クレーン運転士免許(国家試験)

運転の資格と、荷をフックにかける「玉掛け」の資格は別です。玉掛けの仕事をするには、運転の資格とは別に、玉掛けの技能講習や特別教育が必要です(クレーン等安全規則 第221条・第222条)。

法律ではどう決まっている?

根拠は労働安全衛生法施行令の第20条第7号です。つり上げ荷重1トン以上の移動式クレーンの運転は、資格のある人しかつけない「就業制限」の仕事とされています。

そのうえでクレーン等安全規則の第68条が、この仕事は移動式クレーン運転士免許を持つ人と決めています。1トン以上5トン未満に限っては、小型移動式クレーン運転技能講習の修了者でもよい、という例外があります。

公道を走るには運転免許が別に必要

施行令やクレーン等安全規則では、道路の上を走らせる運転は、この資格の対象から外すと書かれています。移動式クレーン運転士免許は、クレーンを作業で動かすための資格です。

道路を走るには、道路交通法の運転免許が別に必要です。どの免許がいるかは、その車の種類(大型特殊・大型など)で決まります。

道筋:免許を受けるまでの5ステップ

免許の受け方は、クレーン等安全規則の第229条で決まっています。よく使われるのは「実技教習を修了してから学科試験に合格する」流れです。

  1. 教習機関の実技教習に申し込む 移動式クレーン運転実技教習は、都道府県労働局に登録された教習機関で受けます。日程と料金は機関ごとに違います。
  2. 実技教習を修了する 教習の最後に修了試験があり、合格すると修了証が出ます。修了した日から1年以内なら、免許試験の実技試験が全部免除されます。
  3. 学科試験を申し込む 全国の安全衛生技術センターに、オンラインか書面で申し込みます。オンラインは試験日の2か月前から14日前までです。
  4. 学科試験に合格する 4科目・40問の筆記試験です。結果は協会から通知書で届きます。
  5. 免許を申請する 免許は都道府県労働局長が与えます。合格後の手続きで免許証の交付を申し込みます。

学科試験に先に合格してから、1年以内に実技教習を修了する順番でも免許を受けられます。センターで実技試験を受ける道もあります。

申し込む前に、次の3つを確かめておくと迷いません。

  • 実技教習の修了から学科試験まで、1年以内に収まるか
  • 玉掛けや小型移動式クレーンなど、免除に使える修了証を持っているか
  • 職場で使うクレーンが本当に5トン以上か

学科試験の中身:4科目・40問・2時間30分

安全衛生技術試験協会の案内では、学科試験はこうなっています。

科目問題数(配点)
移動式クレーンに関する知識10問(30点)
原動機及び電気に関する知識10問(30点)
関係法令10問(20点)
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識10問(20点)

試験時間は13時30分から16時までの2時間30分です。科目の免除を受ける人は、13時30分から15時30分までの2時間です。

合格基準は、科目ごとの得点が40%以上で、かつ合計が60%以上です。1科目だけ極端に低いと、合計が足りていても不合格になります。

実技試験(センターで受ける場合)は、移動式クレーンの運転と、運転のための合図の2科目です。減点の合計が40点以下で合格です。

受験資格と年齢

受験資格は「不要」とされています。ただし、本人確認の書類を付ける必要があります。

一方で、クレーン等安全規則の第230条は、満18歳に満たない人には免許を与えないと決めています。試験に受かっても、免許を受けられるのは18歳からです。

免除で試験が軽くなる人

協会の案内では、持っている資格によって次の免除があります。

あなたの状態免除されるもの
移動式クレーン運転実技教習を修了して1年以内実技試験の全部
移動式クレーンの学科試験に合格して1年以内学科試験の全部
クレーン・デリック運転士免許、揚貨装置運転士免許などを持っている学科の力学・実技の合図
床上操作式クレーン、小型移動式クレーン、玉掛けの技能講習を修了している実技の合図

※このほか、鉱山で5トン以上の移動式クレーンを1か月以上運転した経験がある人の免除もあります。手続きと添付する書類は、協会の案内で確かめてください。

読者読者

実技教習を先に終えれば、試験は学科だけなんですね。

ちずがめちずがめ

そう。ただ1年の期限があるから、教習と学科試験の日をセットで決めておこう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。

合格率:令和7年度は学科65.7%

協会の統計(令和7年度)では、移動式クレーン運転士の結果はこうでした。

試験受験者合格者合格率
学科試験4,861人3,194人65.7%
実技試験(センターで受けた人)400人265人66.3%

実技教習を修了して実技試験が免除になった人は、学科試験だけを受けます。センターの実技試験の人数には、その人たちは入っていません。

日数の例

学科試験は1日です。令和8年度の試験日は、多くのセンターで5月21日・7月3日・9月2日・11月4日・1月15日・3月11日の6回です。近畿センターなど、会場によって日が分かれるところもあります。

実技教習の日数は、教習機関ごとに違います。例として、東京都葛飾区の東京クレーン学校では、学科と実技の教習が最短6日間、学科試験に合格している人は最短4日間です。

この学校の教習は、学科が4科目で各6時間、実技が9時間(合図を含む)です。教習の修了後は学校で実技の修了試験があり、学科試験は安全衛生技術センターで受けます。

千葉県の住友建機教習所 千葉教習センターでは、学科・実技コースも実技コースも6日です。受講資格は「満18歳以上の健康な方」とされています。

費用:学科試験8,800円+実技教習

協会が決めている試験手数料はこうです。

試験手数料
学科試験8,800円
実技試験(センターで受ける場合)14,000円

実技教習を修了して実技試験が免除になる人は、学科の8,800円だけを払います。受験票が出たあとは、手数料は返ってきません。

実技教習の料金の例です。

教習機関(場所)コース料金(税込)
東京クレーン学校(東京都葛飾区)学科+実技総合計145,380円
東京クレーン学校(東京都葛飾区)実技のみ(学科試験に合格している人)総合計98,300円
住友建機教習所 千葉教習センター(千葉県)学科・実技119,900円
住友建機教習所 千葉教習センター(千葉県)実技96,800円

※東京クレーン学校は令和8年2月1日からの新料金です。学科+実技の総合計は、教習料129,690円・教材費4,620円・学科試験の申請料8,800円・免許の申請料1,500円・写真代770円の合計です。住友建機教習所の料金に何が含まれるかは、申し込み先で確かめてください。どちらも2026年11月3日に公式ページで確かめました。

読者読者

10万円をこえるんですね…。自分で払うものですか?

ちずがめちずがめ

中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。まず職場に聞いてみよう。

取ったあとの仕事

移動式クレーン運転士の仕事は、資材をつり上げる建設や土木の現場、港での荷の積み下ろしなどにあります。

国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの有効求人はこうなっていました。

仕事の分類有効求人
定置・建設機械運転従事者(クレーンや建設機械を動かす仕事)17,372件
土木作業43,041件

※常用(パートを含む)の数字です。この中には、移動式クレーンの免許を求めていない求人も含まれます。

5トン未満は小型移動式クレーンの技能講習でも運転できますが、5トン以上は免許がないと運転の仕事につけません。

そろえる教材

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移動式クレーン運転士の学科のテキスト・問題集

学科は4科目40問で、科目ごとに40%以上かつ合計60%以上が合格ラインです。苦手な科目を作らないよう、科目ごとに見直せる問題集があると進めやすくなります。

よくある質問

小型移動式クレーンの修了証があれば、5トン以上も運転できますか?

できません。修了証で運転できるのは1トン以上5トン未満までです。5トン以上は移動式クレーン運転士免許が必要です。修了証を持っている人は、免許試験の実技の「合図」が免除されます。

免許があれば、クレーン車で公道を走れますか?

走れません。移動式クレーン運転士免許は、道路を走らせる運転を対象にしていません。公道を走るには、その車に合った道路交通法の運転免許が別に必要です。

実技教習を終えたら、いつまでに学科試験に受かればいいですか?

実技試験が免除になるのは、実技教習を修了した日から1年以内です。それを過ぎると、免除を受けられなくなります。教習の前に、受ける学科試験の日を決めておくと安心です。

参考・出典

出典(10件)
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