衛生管理者の取り方|第一種と第二種の違い・受験資格・合格率
衛生管理者は、常時50人以上が働く事業場で選ぶ必要がある国家資格です。第一種と第二種の違い、学歴と実務経験で決まる受験資格、試験の科目・問題数・時間・合格基準、受験料8,800円、令和7年度の合格率を、安全衛生技術試験協会と法令の原文で整理しました。
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50人以上の職場に必ず必要
衛生管理者の取り方
AT A GLANCE
第一種・第二種衛生管理者の早見表
- 資格名
- 第一種・第二種衛生管理者
- 種類
- 国家資格(労働安全衛生法の免許)
- 費用の目安
- 試験手数料8,800円(非課税)+免許申請の手数料
- かかる日数
- 試験は1日(試験時間3時間)
- 受ける条件
- 学歴に応じた労働衛生の実務経験(例:大学卒は1年以上・高校卒は3年以上・学歴を問わず10年以上)
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
目次
「会社から衛生管理者を取ってと言われた。第一種と第二種、どっちを受ければいい?」
「受験資格に実務経験があるらしい。自分は受けられる?」
「試験の中身と、どのくらいの人が受かっているかを知りたい」
衛生管理者は、働く人の健康を守るしくみを職場で回す人の国家資格です。講習ではなく、試験に合格して免許を受けます。
この記事でわかること
- 衛生管理者を選ばなければならない職場と人数
- 第一種と第二種の違い(働ける業種)
- 受験資格と、試験の科目・問題数・合格基準
- 受験料と、令和7年度の合格率
この記事の答え
常時50人以上が働く事業場では、衛生管理者を選ぶ必要があります。第一種はすべての業種で、第二種は一部の業種だけで衛生管理者になれます。
受けるには、学歴に応じた「労働衛生の実務経験」が要ります。試験は3時間・五択の筆記で、科目ごとに4割以上かつ合計6割以上で合格です。試験手数料は8,800円。令和7年度の合格率は第一種46.8%、第二種48.7%でした。
第一種と第二種、名前が似ていてややこしいです。
違いは「どの業種の職場で働けるか」だよ。先にそこを見ておこう。
ゴール:取ると何ができる?
労働安全衛生法と施行令では、常時50人以上の労働者を使う事業場ごとに、衛生管理者を選ぶよう決めています。
選ぶ人数は、事業場の人数で変わります(労働安全衛生規則 第7条)。
| 事業場の規模(常時使用する労働者数) | 衛生管理者の数 |
|---|---|
| 50人以上200人以下 | 1人以上 |
| 200人を超え500人以下 | 2人以上 |
| 500人を超え1,000人以下 | 3人以上 |
| 1,000人を超え2,000人以下 | 4人以上 |
| 2,000人を超え3,000人以下 | 5人以上 |
| 3,000人を超える | 6人以上 |
選ぶ理由ができた日から14日以内に選び、労働基準監督署長に報告することになっています。原則として、その事業場に専属の人を選びます。
第一種と第二種の違い
| 免許 | 衛生管理者になれる事業場 |
|---|---|
| 第一種 | すべての業種 |
| 第二種 | 下の業種「以外」だけ(情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など) |
第二種では足りない業種は、規則で次のように決まっています。
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業
これらの業種では、第一種(または衛生工学衛生管理者など)の免許が必要です。それ以外の業種なら、第二種でも衛生管理者になれます。
衛生管理者の主な仕事は、作業環境の管理、作業の管理、健康の管理、労働衛生教育などです。規則では、少なくとも毎週1回作業場を見回ることも決められています。
なお、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントなども、衛生管理者に選ばれる資格があります。
道筋:免許証を受け取るまでの5ステップ
- 受験資格を確かめる 卒業した学校と、その後の「労働衛生の実務」の年数で決まります。勤め先に「事業者証明書」を書いてもらいます。
- 受験を申し込む オンライン申請は、試験日の2か月前から14日前まで。書面の郵送もできます。定員に達すると、期間中でも締め切られます。
- 試験を受ける 全国の安全衛生技術センター(7か所と2つの試験場)などで受けます。
- 結果を受け取る 合格なら「免許試験合格通知書」が届きます。電話での結果の問い合わせには答えてもらえません。
- 免許を申請する 合格通知書と必要書類をそろえ、東京労働局免許証発行センターに申請します。この手続きをしないと免許証は出ません。
受験資格:学歴と実務経験
主な区分は次のとおりです(ほかにも職業訓練・外国の学校などの区分があります)。
| 卒業した学校など | 卒業後に必要な労働衛生の実務 |
|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校 | 1年以上 |
| 高等学校・中等教育学校 | 3年以上 |
| 高等学校卒業程度認定試験の合格など | 3年以上 |
| 学歴を問わない | 10年以上 |
専修学校や各種学校は、ここでいう「大学・短期大学・高等専門学校」には入りません。
「労働衛生の実務」とは、会社の指示で働く人の健康を守る仕事をしたことです。協会のよくある質問では、健康診断結果のとりまとめや、衛生管理者の補助などが例に挙がっています。机まわりの掃除や電球の交換だけでは当てはまりません。
第二種の免許を持つ人が第一種を受けるときは「特例第一種」になり、受験資格の書類は要りません(第二種の免許証の写しを付けます)。
実務経験って、会社に証明してもらうんですね。
そう。転職していたら、会社ごとに証明書が必要になるよ。早めに頼んでおこう。
試験の中身:科目・問題数・時間
第一種(5つの範囲・44問・400点・3時間)
| 科目 | 範囲 | 問題数(配点) |
|---|---|---|
| 労働衛生 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) |
| 労働衛生 | 有害業務に係るもの以外 | 7問(70点) |
| 関係法令 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) |
| 関係法令 | 有害業務に係るもの以外 | 7問(70点) |
| 労働生理 | ― | 10問(100点) |
第二種(3科目・30問・300点・3時間)
| 科目 | 問題数(配点) |
|---|---|
| 労働衛生(有害業務に係るものを除く) | 10問(100点) |
| 関係法令(有害業務に係るものを除く) | 10問(100点) |
| 労働生理 | 10問(100点) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 13:30〜16:30の3時間(科目免除者は2時間15分) |
| 特例第一種 | 有害業務の労働衛生・関係法令の2つだけ(各10問・80点)で2時間 |
| 実技試験 | なし |
| 合格基準 | 科目ごとの得点が40%以上で、かつ合計が60%以上 |
問題数と点数の合計は、公式の表を足し算したものです。第一種は範囲が分かれている科目について、範囲ごとに4割以上が必要です。合計が6割を超えても、1つでも4割に届かなければ不合格になります。
第二種との差は、有害業務(体に害のある物や環境を扱う仕事)の問題があるかどうかです。
日数
試験は1日で、試験時間は3時間です。
試験日はセンターごとに決まっています。例えば北海道安全衛生技術センターでは、令和8年10月〜令和9年3月に毎月2回ずつ予定されています。受けたいセンターの日程を、協会の「試験日程」で確かめてください。
費用:試験手数料8,800円
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 試験手数料(第一種・第二種とも) | 8,800円(非課税) |
| 免許の申請手数料 | 別に必要(厚生労働省の手引きで確認) |
試験手数料は、安全衛生技術試験協会の「令和5年6月1日現在」の表の金額です。受験票が出たあとは、日にちの変更も返金もできません。
講習に通う決まりはありません。独学がむずかしいときは、受験準備講習という選択肢もあります。例として、東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センターの料金(令和8年9月1日現在・税込)です。
| 講習 | 一般 | 会員 |
|---|---|---|
| 第1種 受験準備講習 | 25,300円+テキスト7,480円=32,780円 | 22,000円+テキスト7,480円=29,480円 |
| 第2種 受験準備講習 | 22,000円+テキスト6,820円=28,820円 | 18,700円+テキスト6,820円=25,520円 |
これは東京の1つの団体の例で、全国一律の料金ではありません。
会社に言われて受けるなら、お金は自分持ちですか?
中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。まずは会社に聞いてみよう。
合格率:令和7年度は第一種46.8%・第二種48.7%
安全衛生技術試験協会の統計(令和7年度)では、こうでした。
| 試験 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第一種衛生管理者 | 66,401人 | 31,046人 | 46.8% |
| 第二種衛生管理者 | 40,653人 | 19,796人 | 48.7% |
どちらも、受けた人の半分弱が合格しています。協会のホームページでは、過去の問題も公開されています。
取ったあとの仕事
衛生管理者は、事業場ごとに会社が「選任」する役目です。資格の名前がそのまま職種の名前になっているわけではありません。
役目として決まっているのは、作業場を週1回以上見回ること、健康診断の結果や作業環境に目を配ることなどです。職場の衛生に関して必要な措置ができるよう、会社は衛生管理者に権限を与えることになっています。
常時50人以上の事業場には必ず要るため、事業場が大きくなると人数も増えます。製造業・建設業・運送業・医療業などでは、第二種の免許だけでは選ばれません。
そろえる教材
衛生管理者のテキスト・問題集
科目ごとに40%、合計で60%が合格ライン。苦手な範囲を作らないよう、範囲ごとに見直せる問題集があると進めやすくなります。法令の改正が出題に関わるので、新しい版を選びましょう。
eラーニングで学ぶなら:SAT
現場系・技術系の資格のeラーニングを扱うSAT株式会社の講座一覧には、「衛生管理者」があります(2026年11月3日に公式サイトで確認)。講座の中身は講座ページで確かめてください。
よくある質問
学歴がなくても受けられますか?
受けられます。労働衛生の実務経験が10年以上あれば、学歴を問わず受験資格があります。
第二種を持っていて、あとから第一種を取れますか?
取れます。「特例第一種」として、有害業務の労働衛生と関係法令の2つだけを受けます(各10問・2時間)。
合格したら、すぐに衛生管理者になれますか?
合格通知書だけでは足りません。東京労働局免許証発行センターに免許を申請し、免許証を受け取る必要があります。
参考・出典
出典(9件)
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」(選任・業種・試験科目・受験資格・合格基準・申請期間)
- 安全衛生技術試験協会「試験手数料」
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の日程」
- 安全衛生技術試験協会「統計」(令和7年度 免許試験)
- 安全衛生技術試験協会「合格後の手続き」
- 安全衛生技術試験協会「よくあるご質問(免許試験)」(労働衛生の実務の例)
- 厚生労働省「免許試験合格者等のための免許申請書等手続きの手引き」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第12条・「労働安全衛生法施行令」第4条・「労働安全衛生規則」第7条・第10条・第11条
- 東京労働基準協会連合会「受講料一覧」(令和8年9月1日現在)