交通誘導警備業務検定2級の取り方|警備員向け講習は2日・33,000円
工事現場や道路で車を誘導する警備員の国家検定「交通誘導警備業務2級」。警備員になるときの新任教育(20時間以上)、検定の取り方2つ(直接検定・登録講習機関の講習)、合格者を置く必要がある道路を、法令と警察・講習機関の公式情報で整理しました。
警備員向け講習は2日間
交通誘導2級の取り方
AT A GLANCE
交通誘導警備業務検定(2級)の早見表
- 資格名
- 交通誘導警備業務検定(2級)
- 種類
- 国家検定(警備業法)
- 費用の目安
- 警備員向けの特別講習で33,000円(税込)。一般向けの講習は79,200円(税込)
- かかる日数
- 警備員向けの特別講習は2日間(16時限)。一般向けの講習は6日間(46時限)
- 受ける条件
- 2級はだれでも受けられる。警備員として働けるのは18歳以上
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
MONEY MAP
この仕事の月収と、費用対効果
統計の職種:警備員(交通誘導のほか、施設警備などの警備員も含む職種)
月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は−8.2万円。
| この職種 | 全体 | |
|---|---|---|
| 月収(きまって支給) | 28.8万円 | 37.0万円 |
| うち基本の給与(所定内) | 24.1万円 | 34.1万円 |
| 年間の賞与など | 34.0万円 | 101.0万円 |
| 年収の目安(計算値) | 約380万円 | 約546万円 |
費用対効果
取るのにかかる費用 33,000円(警備員向け特別講習の受講料)は、この職種の月収の約11%、日数にすると約3.4日分です。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。
目次
「警備の仕事を始めたいけど、資格がないと働けない?」
「交通誘導2級は、どうやって取る? 何日かかる?」
「2級を持っている人が必要な現場って、どこ?」
交通誘導警備業務検定は、警備業法にもとづく国の検定です。都道府県の公安委員会(警察)が行い、1級と2級があります。
この記事でわかること
- 警備員になるときに受ける「新任教育」(20時間以上)
- 2級の取り方2つ(直接検定と講習)
- 2級を取るまでの5ステップと、日数・費用の例
- 合格者を置く必要がある道路(配置基準)
この記事の答え
警備員として働くのに検定は必須ではありません。入社後に20時間以上の新任教育を受けて、仕事を始めます。
ただし、高速道路や公安委員会が指定した道路での交通誘導には、1級か2級の合格者を置く決まりがあります。
2級は、警備員向けの特別講習(2日間・33,000円・税込)で取る方法があります。最後は公安委員会に合格証明書の交付を申請します。
警備の求人に「交通誘導2級」とよく書いてあります。持っていないと応募できませんか?
まずは、働き始めるのに必要なものと、あとから取るものを分けて考えよう。
ゴール:取ると何ができる?
警備員になるのに必要なこと
警備業法では、18歳未満の人は警備員になれません(第14条)。ほかにも、法律で決められた条件(欠格事由)に当てはまる人はなれません。
警備会社は、新しく入った警備員に新任教育を20時間以上行う決まりです(警備業法施行規則第38条)。中身は、警備の基本の「基本教育」と、仕事の種類ごとの「業務別教育」です。
| 新任教育で習うこと(基本教育) |
|---|
| 警備業務の基本原則 |
| 警備員の資質の向上 |
| 警備業法などの法令 |
| 事故のときの警察への連絡と応急の措置 |
| 護身用具の使い方などの護身の方法 |
新任教育は、警備会社が行う社内の教育です。検定とは別のものです。
交通誘導の合格証明書を持つ人が交通誘導の仕事につく場合は、この20時間の新任教育の決まりから外れると、規則に書かれています。
2級に合格するとできること
交通誘導警備業務は、工事現場など、人や車の通行に危険がある場所で事故を防ぐための誘導です。
国家公安委員会の規則では、次の場所で交通誘導をするとき、1級か2級の合格者を、場所ごとに1人以上置く決まりです(警備員等の検定等に関する規則第2条)。
| 交通誘導をする場所 | 置く人 |
|---|---|
| 高速自動車国道・自動車専用道路 | 1級または2級の合格者を1人以上 |
| 都道府県の公安委員会が、危険防止のため必要と認めた道路 | 1級または2級の合格者を1人以上 |
公安委員会が認める道路は、都道府県ごとに決まります。たとえば静岡県では、令和8年4月1日から30路線(国道10路線・県道20路線)が指定されています。
合格者は、その仕事の間、合格証明書を持ち歩く決まりです。関係者から求められたら見せます。
道筋:2級を取るまでの5ステップ
ここでは、警備会社に入ってから2級を取る順番で書きます。
- 警備会社に入る 18歳以上で、法律の欠格事由に当てはまらないことが条件です。
- 新任教育を受ける 会社で20時間以上の教育を受けてから、現場に出ます。
- 取り方を選ぶ 公安委員会の「直接検定」か、登録講習機関の「特別講習」かを選びます。
- 試験に合格する 学科と実技の両方で、90%以上の成績が必要です。
- 合格証明書の交付を申請する 公安委員会に申請し、合格証明書が届いてはじめて資格者になります。
取り方は2つ
| 取り方 | 中身 | 合格すると |
|---|---|---|
| 直接検定 | 公安委員会が行う学科試験と実技試験を受ける | 成績証明書が交付される |
| 特別講習 | 国家公安委員会に登録された講習機関の講習を受け、最終日の修了考査に合格する | 講習会修了証明書が交付され、検定に合格したとみなされる |
どちらも、そのあと公安委員会に合格証明書の交付申請が必要です。添える成績証明書や講習会修了証明書は、交付から1年以内のものに限られます。
登録講習機関には、一般社団法人 警備員特別講習事業センターなどが登録されています。
どちらを選ぶ?
警備会社に勤めている人は、会社を通して警備員向けの特別講習(2日間)を受ける形があります。広島県警備業協会の案内では、この講習の申し込みには、勤め先が警備業の認定を受けていることが必要とされています。
まだ警備会社に勤めていない人は、直接検定か、一般向けの「警備員になろうとする者の講習」(6日間)を選ぶ形になります。
| あなたの状態 | 選べる取り方 |
|---|---|
| 警備会社に勤めている | 警備員向けの特別講習/直接検定 |
| まだ勤めていない | 一般向けの講習/直接検定 |
直接検定の申し込み先
直接検定は、住所地を管轄する公安委員会に申し込みます。警備員の場合は、勤める営業所の所在地の公安委員会でも申し込めます。どちらも、所轄の警察署を通して出します。
申請書には、縦3.0cm・横2.4cmの写真2枚(申請前6か月以内に撮影・無帽・正面)をそえます。公安委員会は、検定の90日前までに日程や場所を公示する決まりです(規則第7条・第9条)。
合格証明書の申請でそろえるもの
規則第14条では、合格証明書の交付申請に次の書類をそえると決まっています。
| そえる書類 |
|---|
| 履歴書と住民票の写し |
| 成績証明書または講習会修了証明書(交付から1年以内) |
| 欠格事由に当たらないことを示す市町村長の証明書・医師の診断書・誓約書 |
| 写真1枚 |
申請先は、直接検定と同じく住所地か営業所の所在地の公安委員会です。細かい書き方は、申請先の警察の案内で確かめてください。
試験と講習の中身
試験の科目(2級)
規則の別表では、2級の試験科目がこう決まっています。
| 試験 | 科目 |
|---|---|
| 学科 | 警備業務の基本的な事項 |
| 学科 | 法令(警備業法・道路交通法など) |
| 学科 | 車両等の誘導(交通誘導に使う資機材の使い方、合図の方法) |
| 学科 | 事故が起きたときの応急の措置 |
| 実技 | 車両等の誘導 |
| 実技 | 事故が起きたときの応急の措置(連絡・負傷者の救護・護身など) |
合格の基準は、学科・実技とも90%以上の成績です。直接検定では学科が先で、学科に受からないと実技は受けられません。
講習の時間
警備員特別講習事業センターの講習は、受ける人によって2種類あります。1時限は50分です。
| 講習 | 受けられる人 | 学科 | 実技 | 修了考査 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2級講習(警備員対象) | 警備員 | 7時限 | 5時限 | 4時限 | 16時限 |
| 警備員になろうとする者の講習(一般対象) | だれでも | 28時限 | 14時限 | 4時限 | 46時限 |
修了考査の学科は5つから選ぶ形式の20問で、実技は6科目です。一般向けの講習の実技科目は、大旗による車両誘導・後進誘導・警察などへの連絡・負傷者の搬送・素手の護身術・二次災害の防止です。
警備員向けなら16時限なんですね。一般向けとずいぶん違います。
自分がどちらの講習になるか、先に確かめておこう。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
日数
警備員特別講習事業センターの案内では、警備員向けの2級講習は2日間です。
一般向けの「警備員になろうとする者の講習」は6日間です。令和8年11月は、神奈川県相模原市の「研修センターふじの」で5日から10日まで行われます。定員を超えると抽選です。
直接検定は、試験の日が決まっています。東京(警視庁)の令和8年度の交通誘導2級は、年2回・各回の定員45名でした。
| 回 | 学科試験 | 実技試験 |
|---|---|---|
| 1回目 | 令和8年6月6日(土) | 令和8年7月11日(土) |
| 2回目 | 令和8年11月28日(土) | 令和9年1月23日(土) |
東京では、申し込みは電話受付のあと、決まった3日間に警察署で受け付けていました。日程は都道府県ごとに違います。
費用
講習の受講料(警備員特別講習事業センター)
| 講習 | 受講料(税込) |
|---|---|
| 2級講習(警備員対象・2日間) | 33,000円 |
| 警備員になろうとする者の講習(一般対象・6日間) | 79,200円 |
| 再講習(不合格だった人が1回だけ受けられる) | 13,200円 |
※令和8年11月3日に、警備員特別講習事業センターの公式サイトで確認した金額です。一般向けの講習は、宿泊・食事代が別にかかります。
広島県警備業協会の案内でも、2級の本講習は33,000円(税込)と書かれていました。
直接検定と合格証明書の手数料(東京の例)
| 手数料 | 金額 |
|---|---|
| 直接検定(交通誘導警備業務) | 14,000円 |
| 合格証明書の交付 | 10,000円 |
※警視庁「警備業に係る手数料」より(令和8年11月3日確認)。手数料は都道府県ごとに決まります。申し込む公安委員会の案内で確かめてください。
講習代は、自分で払うものですか?
中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。申し込む前に、まず会社に聞いてみよう。
取ったあとの仕事
交通誘導の仕事は、道路工事や建物の工事の現場、駐車場の出入口などにあります。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの有効求人はこうなっていました。
| 仕事の分類 | 有効求人 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|
| 保安職業従事者(警備員など) | 97,693件 | 6.93倍 |
| (参考)すべての職業 | 2,039,793件 | 1.08倍 |
※常用(パートを含む)の数字です。この中には、交通誘導以外の警備や、検定を求めていない求人も含まれます。
2級を取ってから交通誘導の仕事を1年以上続けると、1級を受けられるようになります(規則第8条)。
よくある質問
警備員でなくても2級を取れますか?
取れます。直接検定は「警備員になろうとする者」も受けられます。警備員特別講習事業センターの「警備員になろうとする者の講習」も、だれでも申し込めます。ただし、18歳未満の人などには合格証明書が交付されません。
講習を受ければ必ず受かりますか?
最終日の修了考査で、学科・実技とも90点以上が必要です。広島県警備業協会が公表している交通誘導2級の特別講習の合格率は、令和7年度で64.0%でした。
講習に受かったら、すぐ2級の資格者ですか?
まだです。講習会修了証明書(有効期間1年)をそえて、公安委員会に合格証明書の交付を申請します。合格証明書が交付されて、はじめて資格者になります。
参考・出典
出典(12件)
- e-Gov法令検索「警備業法」(第14条・第18条・第21条・第23条)
- e-Gov法令検索「警備業法施行規則」第38条(新任教育)
- e-Gov法令検索「警備員等の検定等に関する規則」(配置基準・試験・講習)
- 警視庁「検定合格警備員の配置基準」
- 警視庁「警備員検定(直接検定)」の実施予定
- 警視庁「警備業に係る手数料」
- 静岡県警察「静岡県公安委員会が認める交通誘導警備業務の実施基準」
- 全国警備業協会「教育と資格」
- 警備員特別講習事業センター「2級受講希望(警備員対象)受講要領」
- 警備員特別講習事業センター「2級(警備員になろうとする者の講習)」日程・料金
- 広島県警備業協会「特別講習」
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」