はい作業主任者の取り方|学科12時間・経験3年以上が条件
倉庫などで高さ2m以上の「はい」を積む・崩す作業では、技能講習を修了した作業主任者を選ぶ決まりです。受講資格(はい作業の経験3年以上)、講習の科目と時間(学科12時間)、日数と費用の例を、法令と講習機関の公式情報で整理しました。
学科12時間・2日間の例
はい作業主任者の取り方
AT A GLANCE
はい作業主任者技能講習の早見表
- 資格名
- はい作業主任者技能講習
- 種類
- 技能講習(労働安全衛生法)
- 費用の目安
- 16,830円の例(東京・税込・テキスト代込み)
- かかる日数
- 学科12時間を2日間で行う例
- 受ける条件
- はい付け・はい崩しの作業の経験が3年以上(労働安全衛生規則 別表第六)
- 公式の出典
- 公式情報を確認する ↗
MONEY MAP
この仕事の月収と、費用対効果
統計の職種:その他の運搬従事者(倉庫作業員を含む職種(配達員なども入る)。はい作業主任者だけの平均ではありません)
月収=きまって支給する現金給与額(残業代などを含む・賞与を除く)。全体の平均との差は−7.4万円。
| この職種 | 全体 | |
|---|---|---|
| 月収(きまって支給) | 29.6万円 | 37.0万円 |
| うち基本の給与(所定内) | 26.3万円 | 34.1万円 |
| 年間の賞与など | 50.7万円 | 101.0万円 |
| 年収の目安(計算値) | 約407万円 | 約546万円 |
費用対効果
取るのにかかる費用 16,830円(東京の例)は、この職種の月収の約6%、日数にすると約1.7日分です。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・男女計・企業規模10人以上(e-Stat ↗)。年収の目安は「月収×12+賞与」で計算した値です。統計は「その職種で働く人の平均」で、資格を持つ人だけの平均ではありません。日数は1か月を30日として計算しています。
目次
「倉庫で、はい作業主任者を取ってと言われた。何をする資格?」
「経験が何年あれば受けられる? 自分は受けられる?」
「講習は何日? 費用はいくらくらい?」
「はい」とは、倉庫などに積み重ねた荷のかたまりのことです。高さ2m以上の「はい」を積んだり崩したりする作業では、技能講習を修了した人を「はい作業主任者」に選ぶ決まりがあります。
この記事でわかること
- はい作業主任者が必要になる作業(高さ2m以上)
- 講習を受けられる人(はい作業の経験3年以上)
- 講習の科目と時間(学科だけで12時間)
- 日数と費用の例(2日間・16,830円)
この記事の答え
高さ2m以上の「はい」のはい付け・はい崩しの作業では、はい作業主任者技能講習を修了した人の中から、作業主任者を選ぶ必要があります。
講習を受けられるのは、はい付け・はい崩しの作業に3年以上ついた経験がある人です。講習は学科だけで12時間です。
費用は、東京の例で16,830円(税込・テキスト代込み)です。
倉庫で荷を積むのは毎日やっています。それでも資格がいるんですか?
決め手は「はい」の高さなんだ。どんな作業が対象か、順に見ていこう。
ゴール:取ると何ができる?
技能講習を修了すると、はい作業主任者に選ばれることができるようになります。はい作業主任者は、自分で荷を積むだけの人ではありません。作業のやり方を決めて、現場で直接指揮する役目です。
そもそも「はい」とは
法令では、「はい」を次のように決めています。
- 倉庫、上屋(うわや)、土場(どば)に積み重ねられた荷のかたまり
- ただし、小麦・大豆・鉱石などの「ばら物」の荷は除く
上屋は、港などにある荷さばき場のことです。箱や袋に入った荷を積み上げた山を思い浮かべると近いです。
荷を積み重ねて「はい」にすることを「はい付け」、荷を出すために「はい」を崩すことを「はい崩し」といいます。
作業主任者が必要になる作業
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| はいの高さ | 2m以上 |
| 作業 | はい付け、またははい崩し |
| 対象外 | 荷役機械の運転者だけで行う作業 |
フォークリフトなどの荷役機械の運転者だけで積み下ろしをする場合は、この決まりの対象から外れます。人が手で積んだり、運転者と一緒に作業したりするなら対象です。
はい作業主任者の仕事
労働安全衛生規則では、はい作業主任者が行うことを5つ決めています。言いかえると、次のとおりです。
- 作業の方法と順序を決めて、直接指揮する
- 器具や工具を点検し、悪いものを取り除く
- 作業場所を通る人に、安全に通るための指示を出す
- はい崩しでは、崩れる危険がないと確かめてから始めさせる
- 昇り降りの設備や、ヘルメット(保護帽)の使い方を見守る
法律ではどう決まっている?
根拠は労働安全衛生法施行令の第6条第12号です。高さ2m以上の「はい」のはい付け・はい崩しが、作業主任者を選ぶ作業として決められています。
そのうえで、労働安全衛生規則の第428条が、はい作業主任者技能講習を修了した人から選ぶよう定めています。
同じ規則には、はいの作業の安全のルールもあります。たとえば次のようなものです。
- 高さ1.5mを超える「はい」の上で作業するときは、安全に昇り降りできる設備を設ける(第427条)
- 高さ2m以上の袋・かます・俵の「はい」は、となりの「はい」と下の端で10cm以上あける(第430条)
- 高さ2m以上のはい崩しでは、途中の荷だけを抜き取らない(第431条)
- 高さ2m以上の「はい」の上で作業するときは、ヘルメットをかぶる(第435条)
港で船に荷を積んだり下ろしたりする作業は、別の決まりです。そちらは「船内荷役作業主任者」を選ぶことになっています(施行令第6条第13号)。
道筋:修了証を受け取るまでの4ステップ
- 受講資格があるか確かめる はい付け・はい崩しの作業に3年以上ついた経験が必要です(下の表)。
- 登録教習機関に申し込む 講習を行えるのは、都道府県労働局に登録された教習機関です。日程と料金は機関ごとに決まっています。
- 学科の講習を受ける はいの知識、人の手での作業、機械での作業、法令の4科目です。実技はありません。
- 修了試験に合格して修了証を受け取る 試験は筆記です。合格すると修了証が交付されます。
受講資格:経験3年以上
労働安全衛生規則の別表第六では、はい作業主任者技能講習を受けられる人をこう決めています。
| 受けられる人 | 必要な経験 |
|---|---|
| はい付け・はい崩しの作業の経験がある人 | 3年以上 |
ほかの作業主任者の講習には、学校で学んだ人の短い経験年数が決められているものもあります。はい作業主任者の講習では、別表に書かれている条件はこの1つだけです。
東京労働基準協会連合会(安全衛生研修センター)の案内では、受講資格を「満18歳以上」で、はい作業の経験が3年以上ある人としています。
経験の数え方や、経験の証明のしかたは、申し込む教習機関で確かめてください。
倉庫に入ってまだ1年です。今すぐは受けられないんですね。
経験を積みながら待つ資格なんだ。一歩ずつ行けば、ちゃんと着くよ。
講習の時間:学科だけで12時間
国の告示(はい作業主任者技能講習規程)では、講習の中身と時間がこう決まっています。
| 科目 | 学ぶ範囲 | 時間 |
|---|---|---|
| はいに関する知識 | はいの種類、型の選び方、数の数え方(検数) | 3時間 |
| 人力によるはい付け・はい崩しの作業に関する知識 | 監督と指導のしかた、作業計画の立て方、補助具の点検と整備、危ないときの応急の対応、安全な作業と作業の手順 | 5時間 |
| 機械等によるはい付け・はい崩しに必要な機械荷役に関する知識 | 監督と指導のしかた、作業計画の立て方、荷役機械と補助具の点検と整備、安全な作業と作業の手順 | 3時間 |
| 関係法令 | 労働安全衛生法・施行令・規則のうち関係するところ | 1時間 |
合わせて12時間です。講習は、おおむね100人以内を1つの単位にして行います。
講習の最後には修了試験があり、筆記試験で行います。玉掛けやクレーンのような実技の講習・試験はありません。
告示には、科目を免除する決まりは書かれていません。玉掛けの講習のように、持っている資格で時間が短くなる区分は見当たりません。
日数の例
東京労働基準協会連合会(安全衛生研修センター)のはい作業主任者技能講習は、学科講習の2日間です。
カリキュラムでは、4科目の12時間に、修了試験の1時間が加わっています。修了試験に合格すると、原則として講習の最終日に、写真入りのプラスチックカードの修了証が交付されます。
この機関の講習は、テキストも修了試験も日本語(漢字を含む)です。日本語の読み書きに不安がある人は、申し込む前に問い合わせておくと安心です。
日程の組み方は教習機関ごとに違います。仕事を休む日数を決める前に、申し込み先の日程表を見てください。
費用:1.6万円台の例
東京労働基準協会連合会(安全衛生研修センター)の料金表では、はい作業主任者技能講習はこうなっています。
| 受講料 | テキスト代 | 合計(税込) |
|---|---|---|
| 14,850円 | 1,980円 | 16,830円 |
※令和8年9月1日現在の料金表より。受講料は教習機関ごとに決まっていて、場所によって違います。申し込み先の公式の料金表で確かめてください。
1万6千円くらいですね。自分で払うものですか?
中の人の周りの現場では、仕事で使う資格は会社が費用を出してくれるのがふつうだよ。まず職場に聞いてみよう。
取ったあとの仕事
はい作業主任者が活躍するのは、倉庫や物流センター、港の荷さばき場など、荷を高く積み上げる現場です。現場で人を指揮する立場なので、倉庫の経験を積んだ人の次の一歩になる資格です。
国の統計(厚生労働省「一般職業紹介状況」2026年9月分)では、ハローワークの有効求人はこうなっていました。
| 仕事の分類 | 有効求人 |
|---|---|
| 運搬従事者(倉庫作業・荷物の運搬・配達など) | 61,766件 |
※常用(パートを含む)の数字です。この中には、はい作業主任者の資格を求めていない求人も含まれます。
倉庫の現場では、フォークリフトを使うこともあります。運転の資格は別に必要なので、フォークリフトの資格の取り方も合わせて見ておくと、できる仕事の幅がわかります。
よくある質問
フォークリフトだけで荷を積むときも、はい作業主任者がいりますか?
法令では、荷役機械の運転者だけで行うはい付け・はい崩しは、作業主任者を選ぶ作業から除かれています。人が手で積む作業が入るなら対象です。
はいの高さが2m未満なら、資格はいりませんか?
作業主任者を選ぶ決まりは、高さ2m以上の「はい」が対象です。ただし、2m未満でも、昇り降りの設備(1.5mを超える場合)や崩れの防止など、規則の安全のルールがかかるものがあります。
経験が3年に足りなくても受けられますか?
労働安全衛生規則の別表第六では、はい付け・はい崩しの作業に3年以上ついた経験が受講の条件です。経験の数え方は申し込む教習機関で確かめてください。